能登半島地震の被災地で医療支援を行なった医師らが7日活動を報告しました。水や感染症の問題、学校の授業再開による避難者の移動など様々な課題が浮き彫りになりました。
高知赤十字病院では能登半島地震の発生により国などの要請を受け1月、被災地にDMATを含めた3チームあわせて16人を派遣しています。7日は被災地で医療支援を行った医師らによる活動報告会が開かれました。
報告では活動する病院で水道が復旧していないといったライフラインの問題や医薬品の管理体制など、医療支援にあたっての課題が共有されました。現在も被災地で多くの人が避難所生活を強いられている中避難者の健康状態はますます悪化しています。
(高知赤十字病院 山崎浩史 医師)
「避難所生活のストレスによるもので、吐血や感染症、呼吸困難や発熱とか、コロナ、インフルもあります。胃腸炎、脱水そういうのが多かった」
大家力也(だいけ・りきや)医師は1月24日から29日まで第一救護班として七尾市の避難所6か所で避難者への診察などを行ってきました。期間中避難所の小学校が授業を再開したことで、校内で生活する避難者への対応が難しかったと言います。
(高知赤十字病院 大家力也 医師)
「自分のプライベート空間ができてしまったものを移動してもらわないといけない。体調不良や熱の人が出たりしたら移動もスムーズにいかない中で、どうしたら体育館に避難者を集めて学校を再開できるように、教室を使えるようにするところはかなり難しいところはありました」
また避難者の健康状態をデータで管理し次の医療チームにスムーズに引き継げるようにすることが重要だといいます。
(高知赤十字病院 大家力也 医師)
「各救護所で完結して終わってしまうのではなく、いろんな医療活動をするようなスタッフ、保健師、歯科医師、県の医師会や、いろんなチームが会うと情報交換しますので、拾い上げた情報を共有して、適切にここでこういうものを支援したらいいってものを情報共有する。そのためにはデジタルで共有しないといけない」
大家医師は県内の災害への備えを改めて見つめなおすタイミングだと強調しました。
(高知赤十字病院 大家力也 医師)
「南海トラフ地震はいずれ必ず起こると想定した上で、災害に対する備えですよね。例えば冬に起きたらこうだったり、夏に起きたらこうだったり想定した準備・対策していく。いずれ助けは来ると思うが、それまでのしのいだり、その先の長い避難所生活が続くってなった時に、事前にどういったものが必要なのか、もう1回改めて考えて備えていくしかない」