おいしいと評判のカレーパンが全国から集結し、ナンバーワンを決める「カレーパングランプリ」が開催されました。今年は「うす皮」などがトレンドだということだそうです。栄えある「最高金賞」に輝いたカレーパンの徹底したこだわりを取材しました。

■日本一のカレーパンが決定!1日500個「トロッ」と食感が人気のカレーパン

7月18日、都内に集結したのは、全国各地で今一番おいしいと評判のカレーパン。予選に参加したのはなんと、136種類。そこから58種類が投票で勝ち抜き、7部門でそれぞれ「最高金賞」が決定します。

まずは王道の「東日本揚げカレーパン」部門。最高金賞は東京の武蔵小金井を中心に7店舗を展開するクラウンベーカリーの「とろっとジューシーカレーパン」(237円)。

クラウンベーカリー 高橋義和マネージャー
「良かったです本当に、来年は別の部門でも頑張ってみようかなという気はあります」

1日に500個以上売り上げるという人気ナンバーワンのカレーパン。お店には連日ファンが訪れます。人気の秘密は「とろっと感」。さらに野菜の食感を大事にしているといいます。

クラウンベーカリー 高橋義和マネージャー
「うちはカレーを作り終わった後に、食感を出すための野菜を別に混ぜています」

2022年で7回目を迎えるカレ―パングランプリ。毎年トレンドがあるといいます。

日本カレーパン協会 宮脇小百合さん
「今年は“変形”“いろいろ野菜”そして“うすかわ”というキーワードになります」

「京野菜と半熟卵の焼きカレーパン(京都・CHABON)」や「エビとアボカドチーズの焼きカレーパン(静岡・手作りパン工房ナチュナル)」などちょっとカレーパンにはなじみのない野菜を使ったものや、「バターチキンカレードッグ(愛知・緑のパン工場an―J)」や「萩、大井の玉ねぎカレーパン(山口・ブーランジェリー住吉丸)」など形もホットドッグ型に、立方体など枠にとらわれない自由な発想が人気を集めています。

■狙うは頂点“八王子の新星”地元の野菜&ぜいたく牛肉

そして、最後のキーワードの"うすかわ"。こちら「八王子野菜に牛肉ゴロッとはちまるカレーパン」(300円)もうすかわカレーパンのひとつ。

八王子エルシィ 嵩下義則総料理長
「ドキドキしています」

実は八王子エルシィ、パン屋さんではなく、結婚式場やレストランを運営する複合施設。なんと初出場で「東日本焼きカレーパン」部門の最終選考に残りました。

そのこだわりはタマネギに人参、トマトなどカレーパンに使う野菜全てが八王子産なんです。この野菜と豚と鶏の挽肉を15種類のスパイスでじっくり炒め、2時間かけて作ったカレー。

このカレーをパン生地に敷いた卵とチーズの上にのせます。そしてレストランで使う国産牛ステーキの切り落としをソテーしたものをたっぷりとカレーに。黄身とチーズをかけてじっくり焼き上げると完成です。初出場で見事「最高金賞」を獲得しました!

八王子エルシィ 嵩下義則総料理長
「地域の皆様に買っていただいて、食べていただいて、評価していただいて。本当にありがとうございます」

■4連覇目指す絶品カレーパン専用スープ×熟成合い挽き肉

その様子を緊張の面持ちで見つめているのは、キーマカレーパン部門3連覇中、「パンの家あ・ら・もーど」の野田さん。カレーパンへのこだわりは徹底しています。

パンの家あ・ら・もーど店主 野田満由樹さん
「このカレーが私の人生です」

まずひとつ目のこだわりは「肉」。地元あきる野市の秋川牛と、豚の挽肉を米麹でつけ込み、ひと晩冷蔵庫で熟成させます。

ふたつ目のこだわりは「スープ」。鶏ガラと豚骨に野菜を、オーブンで朝までコトコト煮込んで、カレー専用のスープを作ります。そしてもう一つ別の鍋では、香味野菜とフルーツ、熟成させた合い挽き肉を炒め、16時間ほど煮込みます。

パンの家あ・ら・もーど店主 野田満由樹さん
「この3つを掛け合わせた上に、カレーのスパイスを焙煎して、合わせてカレーパンの具が出来上がる」

ひとつのカレーパンができるまで最低でも3日かかるといいます。

パンの家あ・ら・もーど店主 野田満由樹さん
「なんとしても(最高金賞を)獲って、このあきる野に帰ってきたいと。そんな思いが強いです」

7月18日午後2時すぎ、ついに発表の時が。

日本カレーパン協会 宮脇小百合さん
「キーマカレーパン部門、最高金賞はパンの家あらもーど」

パンの家あ・ら・もーど店主 野田満由樹さん
「一瞬時が完全に止まったというか、まさか本当にという思いと、厳しい顔してないと泣きそうになっちゃうので感謝で一杯です」

見事4連覇達成です。

一方、お店でカレーパンGP2022を観ていた店員たちも
店員「おおおお」
店員「やったー」
店員「すげー」

常連客「こんな静かなところで4年連続ってすごいなと思います」

ひと口食べれば幸せな気分に、来年はどんなカレーパンが天下を獲るのでしょうか。