宮崎県産牛肉の販路拡大を目指します。
中東や東南アジアなどのイスラム圏に牛肉を輸出しようと、県内で初めてとなる「ハラール認証」に対応した牛肉処理施設が西都市に完成しました。
西都市に完成したのは、有田牧畜産業など県内4つの畜産農家が中心となり設立した牛肉の処理施設「SEミート宮崎」です。
5日は、関係者およそ250人が出席して竣工式が行われました。
この施設の特徴がイスラム法に則って提供される高い安全衛生基準「ハラール認証」の基準を満たしていること。
牛の血抜きを徹底するなど食肉の鮮度を保つための設備が整えられているほか、イスラム教徒の外国人スタッフが配置されています。
「ハラール認証」の基準をクリアした牛肉処理施設は、県内では初めてです。
(SEミート宮崎 有田米増社長)
「イスラム圏の人たちと一緒になって、宮崎牛や日本の和牛を食べていただくという思いで推進していきたいと思う」
施設は6日から操業を開始。
SEミート宮崎では、国内最大規模となる年間1万2000頭を処理し、中東や東南アジアなどイスラム圏への販路拡大を図っていきたいとしています。
【参考】「ハラール認証」とは
「ハラール」という言葉ですが、これは、イスラム教で「許されたもの」という意味の言葉です。

イスラム教では、豚肉を食べることが禁じられていますが、牛肉は食べてもよいとされています。
ただし、牛肉でも、宗教上の適切な処理が施されていない肉は食べることができないため、イスラム教徒の外国人スタッフが祈りを捧げて、牛の血抜きを行わなければならないなど、高い基準が設けられています。

Q.基準を満たすのは大変だと思いますが、イスラム圏への輸出はどんなメリットがあるんですか?
現在、世界人口の4分の1がイスラム教徒で、和牛は、イスラム圏の富裕層と中心に近年、人気が高まっているんです。

「ハラール認証」の基準を満たした施設は、国内では9か所となっていて、政府は、牛肉の輸出額を、現在の300億円から2030年には10倍以上の3600億円とする目標を掲げており、イスラム圏進出が今後の鍵となります。