能登半島地震で被災した石川県能登町では、廃業を余儀なくされた能登牛の生産者がいます。今年から若い後継者が事業を継ぐ予定でしたが。大切に育てたウシを、このまま死なせたくないという苦渋の決断でした。

次々とトラックに載せられていくウシ。能登町の山間部・当目地区で30年以上に渡り能登牛など肉用牛の生産に携わっていた柳田肉用牛生産組合。地震により鉄骨づくりの牛舎は波打ち牧場へと続く道路は崩壊。車が通れずウシの命をつなぐ大切な水が供給できなくなりました。
柳田肉用牛生産組合の駒寄正俊・組合長は、地震による断水の影響について「水が出ないので(水が入っているはずのウォーターカップを牛たちが)押しては押しては、ウォーターカップ潰したりとかわいそうだった。それを見てかわいそうで涙出たけど、仕方ない」
水の代わりに雪を与えるなど従業員と懸命に牛の世話をした駒寄さんですが、この1ヶ月で4頭のウシが命を落とし廃業を決断しました。10日ほど前にようやく車が通れるようになった後、先月29日からウシの出荷がはじまり、100頭以上いた牛舎には数頭を残すのみとなりました。