■世界陸上オレゴン・3日目(日本時間17~18日・米オレゴン州・気温17.4度・湿度61%)
世界陸上は3日目の男子マラソンが行われ、西山雄介(27・トヨタ自動車)、星岳(23・コニカミノルタ)が出場。ともに初出場で自身2度目のマラソン挑戦となった2人は、西山が13位、星が38位でレースを終えた。西山は世界陸上の日本人最高記録となる2時間8分36秒でゴール。これまでの最高は2003年パリ大会で油谷繁がマークした2時間9分26秒。金メダルはエチオピアのトラ(30)で、タイムは大会記録を1分19秒更新する2時間5分36だった。
出場予定だった日本記録保持者の鈴木健吾(27・富士通)は、レース前日のPCR検査で新型コロナウイルス陽性が確認され、この日、日本陸連から欠場が発表されていた。前回大会(ドーハ)金メダルのL.デシサ(32)をはじめとするエチオピア勢、リオ五輪銅メダルのG.ラップ(36・アメリカ)など強敵ぞろいの中、62人でのレースとなった。
今大会は1周14kmを3周する周回コースで、序盤はスローペースでの展開。1周目の14kmは日本の西山、星を含む30人ほどの集団で通過した。20km地点では、前回王者のL.デシサが遅れ始めたが、西山と星は集団の中盤から後方の位置をキープし、25kmの通過タイムは、大会記録が出た09年ベルリン大会に次ぐハイペースとなった。
3周目に入り、星が遅れ始めた。30km過ぎから先頭集団がペースアップ。食らいついていた西山も離れ始めた。32km過ぎでは男子3000障害代表の三浦龍司(20)が給水所で2人のレースを見守っていたが、西山は先頭と10秒ほどの差に広がっていった。ここでエチオピアのトラ(30)が飛び出し、35km地点は西山が16位、星は33位で通過。西山は目標としていた入賞には届かなかったものの、13位まで順位を上げ世界陸上での日本人最高タイムを更新、歴史に名を刻んだ。
レース後、西山は「30キロで動くっていうのはある程度わかっていたことだったので集団の前で構えてたんですけど、それまでの小刻みなアップダウンだったりペースの変動で少し足を使ってしまった世界の壁はまだまだ高いし、自分自身も上を目指していかなければいけないというのがあるので、下ばかり向かずに上だけを向いて、世界と戦えるようにパリ五輪に向けて頑張って行きたいと思います」と率直な気持ちを語り、今後を見据えた。
星は「チャレンジできた部分はあったと思うんですけど、力不足で最後体も動かなかった。今の立ち位置は分かったかなと思います。成果を残せなくて期待してくださった方には申し訳なかったんですけど、今日のレースだけじゃなくて日本代表として向き合っていた時間は自分自身にプラスでしかないので、今後の成長につながる経験ができたかなと思います」と振り返った。
【男子マラソン 結果】
金メダル T.トラ(エチオピア)2時間05分36※大会記録
銀メダル M.ゲレメウ(エチオピア)2時間06分44
銅メダル B.アブディ(ベルギー)2時間06分48
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13位 西山雄介 2時間08分36
38位 星岳 2時間13分46
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