気象庁は、能登半島地震の直後から津波の観測ができなくなっていた石川県の「珠洲市長橋」の潮位観測データを公開し、顕著な海面の上昇は確認されず、地盤の隆起による潮位の大幅な下降が記録されていたと明らかにしました。

「珠洲市長橋」の津波観測点では、地震発生直後から地盤の隆起によって、観測装置が海面の上に露出するなどし、津波を正常に観測できない状態になっていました。

気象庁はおととい、現地に職員を派遣し、通信状況によって取得できていなかった地震直後の潮位観測データを回収し、きょう公開しました。

それによりますと、最大震度7を観測し、マグニチュード7.6の大地震が発生した午後4時10分以降、顕著な海面の上昇は確認されなかったということです。

また、気象庁は観測点付近で現地調査も行いましたが、津波の痕跡は確認されなかったということです。

一方、観測データでは、午後4時11分ごろから15分ごろにかけて潮位の大幅な下降が記録されていて、気象庁は「地盤の隆起により、津波観測装置が上昇したためだとみられる」としています。