地域に根付く産業の再生も大きな課題のひとつです。
石川の経済を支える農林漁業や観光業にも地震は大きなダメージを与えました。
いまだ復旧のめどが立たない中、それでも関係者は能登の復活を信じ歩みを止めません。
美湾荘・白髭哲さん
「お客さんもチェックインしてた時間帯なので、使ってたまま、みなさん着の身着のまま飛び出して…部屋の壁見えちゃって、どこのフロアもこんなふうになってる」
七尾市の和倉温泉で創業以来220年続く老舗旅館・美湾荘。
発災の日は元日ということもあり、シーズンで最も多い220人分の宿泊予約があり、当時、館内には100人以上の客が滞在していました。
発災から4週間…地震による損傷は手つかずのままです。
白髭さん
「暫定的にはやく復旧関係者を受け入れて、七尾市もそうだが、被災地の奥能登に向けて送り出せるようになるのが最初のステップ。修復と改装を進めていければなと思っているが、まだまだ長い道のりになる」
また、温泉街の旅館関係者の中にはこんな人も…
旅館で働いていた人
「パートの人まで、そこまでできないと言われて…(解雇を)言われて落ち込んで」
1月16日、和倉温泉では源泉のくみ上げ作業が再開されましたが、各旅館につながるパイプが損傷していることや断水の影響もあり、温泉が通るめどは立っていません。
地震は、漁業にも甚大な被害をもたらしました。
JNN取材団・中井秀カメラマン
「かなり隆起してしまったのでしょうか、港の中にまったく水がありません」
上空から様々な場所で確認できる「海底隆起」。
スルメイカ漁の拠点になっていた輪島市門前町の鹿磯漁港です。
JNN取材団・寺川祐介
「隆起したことで、港に係留されていた船は横倒しになっていました。岸壁の部分、白い部分に海藻や貝がついていますが、あの高さまで海面があったことが分かります」
海底は最大でおよそ4メートル隆起し、一面、干上がったような状態になっています。
県外のイカ釣り船も多く集まった鹿磯漁港の漁獲高は、年間およそ5億円でした。
漁師・高島長憲さん
「最初の地震で海岸線をみたとき唖然とした。それで終わりだと思った」
地元の漁師は一変した港の光景に肩を落とします。
高島さん
「海水が全然ないんだから、再建するのはとてもじゃない、ないなと思った」
県内の漁港には津波の被害も…
JNN取材団・吉田健一
「こちらの海岸では、船が1艘2艘3艘と転覆してしまっています」
地震の被害は県内にある69の漁港のうち9割近い60か所で確認され、少なくとも230隻以上の漁船が被害を受けました。
地震の影響は能登の畜産業にも…。
能登町でブランド和牛「能登牛」を1000頭育てる平林将さん。
北陸の和牛コンテストで8連覇を達成するなど、県外に能登牛の知名度を高めてきました。
能登牧場・平林将さん
「鳴き声、鳴き方が違う。怖がっているような悲鳴ですかね」
悲鳴にも似た牛たちの鳴き声。
1日に30リットル以上の水を飲む牛たちですが、地震による断水と停電で十分に水を与えることができず、1頭が死にました。
平林さん
「もっと牛を死なせてしまうんじゃないかとか、ずっとそんなことも考えながら水を運んでました」
さらに追い打ちをかけたのが道路の崩落。
エサを運び込むことができず、年末年始の備蓄でなんとか持ちこたえていたといいます。
平林さんの地元・群馬で畜産業を営む兄が、被災後何度も往復して食材や生活用品を運んでくれたおかげで、スタッフは助かりましたが…
平林さん
「人命優先はその通り。でも牛だったり豚だったり鶏が奥能登地域にはたくさんいる。そういったところにも少しでいいから目を向けてもらえたら」
県では23日、避難所の環境改善や仕事環境の再建を支援するため、2つのチームを発足させました
馳知事
「これまでのなりわいを踏まえながらも、創造的復興に向けてどのようになりわいを再建していくのか、その絵姿を描いていくのがみなさんの仕事。」
「なりわい再建支援」では、農林水産業・伝統産業・観光産業を柱に、能登の主力産業の再建を急ぎますが…
能登牧場では、4つある牛舎も地割れなどの損傷がひどく、立て替えなどの修繕費に1億円以上かかると見込まれ、支援には待ったなしの状況です
平林さん
「過去の災害にとらわれない支援内容、千差万別の被害を生産者は受けている。柔軟な対応をとっていただけるよう期待している。」
それでも震災後、31日までに33頭の能登牛を出荷し続けています。
その理由は…
平林さん
「奥能登の自然・静かな環境に惚れ込んで、ここで牛を育てようと決意したので、地震だからって生産をやめるという選択肢はとりたくない。いっそ牧場をもっと大きくしてやれという気持ちで頑張りたい。」
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