沿道で並走した父「力を押してあげようと」
すると32キロ地点には、前田選手を支えてきた父・哲宏さん(【画像④】)が。
(父・哲宏さん)
「ほーちゃんファイト!良い感じ!と」
「力を押してあげようと」

限界に挑戦する娘を見て、いてもたってもいられず、共に走りました。
(天満屋・山口衛里コーチ(シドニー五輪日本代表))
「前田、日本記録いけるよ!」
誰よりも強く、速く駆け抜けた前田選手は、野口みずきさんの日本記録を19年ぶりに更新する2時間18分59秒でフィニッシュしました。
心に秘めた思い、レース直後のインタビューで、「アレ」についてついに明かしてくれました。
ー「アレ」って何だったんでしょうか?
(前田穂南選手)
「日本記録更新です」
(谷本観月選手)
「嬉しいです。もうどうしよう…」

前田選手の母・麻理さん(【画像⑤】)も娘を信じていました。
(母・麻理さん)
「感無量です」
ーお母さんは「アレ」の意味を知っていたんですか?
「知っていました。日本新記録を出すと思っていました。それだけの練習を積んでいると武冨監督から聞いていたので」

(父・哲宏さん【画像⑥】)
「本人が1番苦しかったと思う。僕も応援するしかないので…サポートして、応援して…という感じだった」

日本新記録の前田穂南選手 改めて...パリ五輪はどうなる?
【スタジオ】
まさに「有言実行」、そして「アレ」が日本の新記録を更新するというのが、驚きでしたよね。
(コメンテーター 春川正明さん)
「やっぱり今回難しかったのは、レースの中で記録は出さなきゃいけないし、パリ五輪のためには日本人で1位にならなきゃいけないし、勝負ですよね。だから普通なら『勝負を取る』とか『記録を取る』とかあるんですけど、その両方しなきゃいけないってのはやっぱ難しいなと思ったんですけれども」

「ただ日本新記録を樹立しましたが、これでパリ五輪出場が決まったわけではないんですよね?」
そうなんです。実はこの先のレースの展開で、この正式にパリオリンピックの代表が決まるということです。
【画像⑦】のように今回の大阪国際女子マラソンで、前田選手は「2時間18分59秒」と、パリ五輪の設定記録の「2時間21分41秒」を大きく上回ったんですが、3月の名古屋ウィメンズマラソンで、この記録を超える人がいなかった場合に、パリ五輪の代表になるということです。

ただ今回は日本新記録ですから、大きくパリ五輪出場に前進したというわけなんです。そしてつい30分ほど前、RSKイブニングニュースが始まる直前に、前田穂南選手に「日本新記録樹立」そして「パリ五輪」への思いをインタビューしました。