岡山のヒロインが、19年間止まっていた時間を動かしました。大阪国際女子マラソンで日本新記録を樹立した天満屋の前田穂南選手(27)が、一夜明けたきのう(30日)大阪から岡山に戻り、RSK山陽放送を訪れ単独インタビューに応じてくださいました。

おととい(29日)のレース、現地・大阪での前田選手のご両親への取材、先輩の想いなども含めてお伝えします。

笑顔の前田穂南選手が岡山に凱旋!

きのう夕方、岡山に帰ってきた前田穂南選手がRSK山陽放送を訪れ、【画像①】のような笑顔を見せてくれました。

ーいま一番やりたいことは?
(前田穂南 選手)
「走ることです、ふふふふ」

【画像①】

大会5日前 明かさなかった目標「アレ」です

(松村みなみ記者 リポート)
「レースのスタート・ゴールとなるヤンマースタジアム長居です。『目標はアレ』と話していた前田選手。一体どんな走りを見せるのでしょうか。運命のレースは間もなくです」

大一番を前に、リラックスした表情を見せる前田選手。実は、この5日前に岡山では。

ー「大阪国際女子マラソンの目標を教えてください」

(前田穂南選手)
「アレです」

目標を明言せず、【画像②】のような不敵な笑みを浮かべていました。

【画像②】

「アレ」とは、優勝?自己ベスト更新?

先輩・谷本観月選手(天満屋)も沿道で祈っていた

注目を集める中、レースは序盤から、パリ五輪の設定記録を大きく超えるハイペースで進みます。すると15キロ地点には、前田選手と9年間共に練習をしてきた天満屋のチームメイト・谷本観月選手(29)(【画像③】)が。

【画像③】

(谷本観月選手)
「辛くても、練習のレベルは変えずに、目標に向かって一生懸命やっている前田の姿勢を見たら『五輪に行ってほしい』じゃなくて『前田が五輪に行かないといけない』」

前田選手の夢だった2021年の東京五輪では33位。そこから度重なるケガと、体調不良に悩まされてきました。それでも、諦めずに練習を重ねる姿を見てきたからこそ、結果を出してほしいと祈ります。

(谷本観月選手)
「前田頑張れ!前田自信持っていって!」
「緊張しました、私が…行ってくれると信じて…」

緊迫のレースが動いたのは、中間点を過ぎたあたりでした。前田選手はペースメーカーの新谷仁美選手(総社市出身)をも振り切り前へ。その後、エチオピアのエデサにかわされるも、日本新記録ペースで走り続けます。