能登半島地震の被害を受けて大きな課題となっている「住宅の耐震化」高知県黒潮町で行われている耐震化工事の現場を取材しました。
黒潮町蜷川(みながわ)にある住宅。1980年に建てられたこちらの家では壁に合板をはり付けたり金属部品を取り付けたりして耐震工事が行われていました。黒潮町では国や県の補助も合わせると上限125万円まで自己負担ゼロで住宅の耐震化が行えます。
依頼主が耐震工事を決めたのは能登半島地震が起きる前でしたが、それでも今回の震災は大きな衝撃がありました。
(依頼主 下村昌幸さん)
「地震の瞬間家が崩れて土煙が上がっている、そういう状況を(ニュースで)目にしてしまうと相当古い建物は危険なんだなと思っていて、そういう意味では倒れない家だけはちゃんとしておかないといけない」
こちらの住宅には普段、依頼主の母親が1人で住んでいて、耐震化によって家屋の倒壊を防ぎ命を守ることが目的の1つです。しかし、沿岸地域にある別の家で暮らす依頼主にとってもう1つ重要な目的があります。
(依頼主 下村昌幸さん)
「私が住んでいるのは(黒潮町)入野の浸水地域に住んでいまして、津波が来ればやられるんじゃないかと思う。そういう場合にここ(内陸部)の家をちゃんとしておけば避難できるかなという風にも考えている」
黒潮町の現在の耐震化率は56.5%。能登半島地震の発生以降、町民からの問い合わせも増えているということです。
黒潮町は「診断、設計、工事の診断の段階で止まってしまっている住宅がまだ多くある。積極的に呼びかけを行い耐震化率を高めていきたい」と話しています。