自民党の裏金事件を受け、先週、安倍派など3つの派閥が解散を決めました。しかし、根本的な問題解決につながったわけではなく、「派閥の解散は論点ずらし」などと批判の声が上がっています。
岸田総理
「それぞれの派閥関係者が、自らどのようにケジメを付けるのか、どのように説明責任を果たすのか、大変重要なことであります」
派閥のルール作りなどを議論してきた政治刷新本部。きょう、麻生副総裁と茂木幹事長は岸田総理のあいさつを厳しい表情で聞き、麻生氏は総理の挨拶が終わっても拍手すらしませんでした。
関係者によりますと、事前に相談せずに岸田総理が岸田派の解散を決めたことに激怒する麻生氏に対し、岸田総理はきのう、陳謝したということです。
派閥の裏金事件を受けて先週、東京地検特捜部は、谷川氏を含む、国会議員や会計責任者ら8人を立件。これを受け、会計責任者らがいた安倍派・岸田派・二階派は解散を決定しましたが…
会見に臨んだ安倍派の幹部はみな、裏金がいつから始まったのかなど、“詳細は分からない”などと口を揃えました。
こうした中、きょう、安倍派のいわゆる5人衆のひとり、萩生田前政調会長が会見を開きました。
萩生田光一前政調会長
「国民の皆様に多大な不信を招いてしまったこと、心からお詫び申し上げたいと思います」
萩生田氏は、派閥側からの寄付について、2018年からの5年間で合計2728万円が収支報告書に不記載となっていたと明らかにしたうえで、初当選のときからキックバックという仕組みは「承知していた」、「安倍元総理が派閥によるキックバックを一度止めようということを呼びかけていたと聞いた」などと証言しました。
不穏な空気で始まったきょうの刷新本部でしたが、全体会合では「中間とりまとめの論点」が提示されました。
「カギは政策集団が『お金』と『人事』から完全に決別すること」と明記したうえで、政治資金パーティーの全面禁止や、法令違反などの問題がある派閥に対して、「党として審査を行い、一定期間の活動の休止もしくは解散を要求」することなどを盛り込みました。
また、「コンプライアンスの徹底」として、会計責任者が逮捕、起訴等の事態になった場合の所属議員への処分、つまり、政治資金規正法を改正して“連座制”を適用する方針も明記される見通しです。
自民党 大西英男衆院議員
「何よ総裁本部長は。自分の派閥だけ解散してさ、あとは野となれ山となれっていう。こんなことじゃ本当の改革できないよ」
自民党 桜田義孝衆院議員
「(Q.何が本当の改革案だと思うか)私が総理大臣になることだよ」
様々な意見が出されるこの「中間とりまとめ」は今週25日にも決定しますが、岸田総理は周囲に次のように話していると言います。
岸田総理(周辺に対し)
「派閥解散だけで国民の信頼を取り戻せるなんて思ってない。刷新本部で中間とりまとめを出して終わりじゃない。政治改革の議論はその後も続けていく」
刷新本部での議論はあすも行われます。
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