業務上横領の罪に問われた元社員の女(43)に言い渡されたのは、懲役4年の実刑判決でした。
上下紺色の服を着て、肩にかからないほどの長さに整えられた髪の女。
証言台で動かずに判決を聞いていました。
経理全般の業務を任されていた女 きっかけは父の入院費用
女は、山形市に本社を置く電気設備会社で、預金の管理や振り込み送金などの業務を1人で行っていました。
女がはじめて会社の金を横領したのは2016年12月30日。
インターネットバンキングのシステムを使い、会社の口座から自分の口座に90万1386円を送金します。
きっかけは、義理の父の入院費用などが夫婦の収入ではまかなえなかったことでした。
しかし、横領はこの1回では終わりませんでした。
「会社に知られなかったことで、やめられなくなったうえに、横領する額がどんどん大きくなっていった」
裁判で検察がこう指摘したように、この時から決まって毎月の月末ごろに横領行為を続けました。
最初の約半年は、入金は90万円前後だったものの、その後、100万円前後に金額が上昇。
2020年4月30日で入金額が初めて150万円を超えると、2021年8月30日以降は1回の入金額が200万円を超えるようになっていきました。