17日に行われた第170回芥川賞の選考会からが一夜明け、岩手県盛岡市の書店には受賞を惜しくも逃した盛岡市出身・小砂川チトさんの「猿の戴冠式」の単行本が早速並べられました。

小砂川チトさんの小説「猿の戴冠式」は第170回芥川賞の候補品にノミネートされていましたが、惜しくも受賞とはなりませんでした。選考会から一夜明けた18日、盛岡市の書店には午前9時の開店と同時に「猿の戴冠式」70冊が店頭に並びました。1990年に盛岡市に生まれた小砂川さんは中学校まで盛岡で過ごし、高校進学に伴って上京しました。芥川賞候補となったデビュー作「家庭用安心坑夫」に続き今回が2回目のノミネートでした。芥川賞受賞は逃しましたが、独自の世界観を持つ注目の作品ということで早速手に取る人の姿がありました。

(単行本を手にした人)
「きのうニュースでは見ていたのだけど、地元の人とは知らなくて。読んでみます」

芥川賞受賞を逃したことについて書店の従業員は…。

(さわや書店フェザン店 竹内敦店長)
「とにかく残念でした。ただ、2作連続で芥川賞候補になっているので、2回連続デビュー以来表彰台に立っているような感じなので、次に本当に期待して待っています。」

小砂川さんの作品の印象と期待については…。
(さわや書店フェザン店 竹内敦店長)
「世界が分からなくなってくるような感じですよね。独特の世界観を持っています。他県の人に、『岩手県にはそんなに作家がいっぱいいるの?』と言われるのですごくうれしいです。岩手からまたこういうすごい作家が今生まれているんだというのと、ぶれずに独自の世界観を突き進んでほしいなと思っています」