頭痛やアレルギーなど、生理痛以外も含めた痛みを考える

体験の後は、生理痛以外も含めた様々な痛み(頭痛やアレルギーなど)について、職場ではどんなふうに助け合えるか考えるワークショップが行われました。

生理痛について考えたグループは…。

男性①「突然のタイミングで来るのかどうかとか、人によってはわからないところがあって…」

女性「大体その周期で決まってるから、この人は大体この日ぐらいに来るってわかるんですけど、でもそれをオープンにすると逆にちょっとまた問題が出てくる」

男性①「言うことには、なかなか(抵抗は)やっぱあるんでしょう?我々としては言ってもらうことに対して何ら思うことはないような気はしてるんですけど」

男性②「我々の感度がちょっと足りないところがある?」

男性③「セクハラの問題もありますからね。理想と現実の境目」

生理への理解を少し深め合えた一方で、コミュニケーションについてはやはり難しい点が残りました。

テレビ制作部長(男)「おもんぱかったことをどこまで口にしていいのか。どう表現すればいいのかっていう非常に難しいなっていうのは思いました。女性の方も、逆に言いにくいっていうバリアを皆さん自分でお作りになってる面もあるのかなって。電極と電極が反発しているみたいな感じでコミュニケーションが難しい」

研修の後、参加者に答えてもらったアンケートでは…

・生理について男性に知ってもらうことは『女性は実は大変なんだからわかってよね』という押し付けではなく、生理痛に限らず、他の人が抱えているかもしれない様々な痛みや苦しみについて考えることに繋がるんじゃないかと思った。

・痛みを体験して、仕事への集中が難しそうだと思った。今後は家族や周囲を気遣いたい。ちなみに今日までは何も思っていなかった。

・中学生くらいの頃『生理って言えば、プールの授業を休めるから生理じゃないけど休もう』というような女子の会話を聞いたことがあります。『そういう積み重ねで、女性自身が生理に対する信頼を失う行動や言動をとることは避けましょう』というような内容の部分も(研修の中に)少しあってもいいのかなと思いました。

などの感想があり、スタジオでは「これまで生理について知る機会のなかった人にもいい機会になったのでは」という意見や「生理を理由にサボっているというような誤解をされないように女性も気をつけないといけない」という意見も出ました。

アンケートは「この研修に参加してよかった」という意見が多数だった一方で、実は、この研修の参加者をRKK内で募集したときには、20人の定員枠が簡単には埋まらなかったという事実もありました。

スタジオでは、こういう研修を「押し付けられている」と感じる男性も、「生理は女性だけの話にしておきたい」と考える女性もいるのではないかという議論になり、どうすればいいのか難しいという話になりました。

全国で研修を行っている大阪ヒートクールのスタッフはどう思う

研修後には、この生理痛体験研修で全国を回っている大阪ヒートクール代表取締役の伊庭野健造さんとブランドマネージャーの久保田千晶さんにお話しを伺いました。

久保田「自己開示っていうのがすごくポイントだと研修に回っていて思うんですよね。最初の座学では、恥ずかしがって聞いてる方もいらっしゃるんですが、ワークショップや体験をすると、おのずと自分のことを話すきっかけになって、自己開示する方が出てきます。そこから『私もなの』という声につながったり、チームで話して仲が深まるという部分があるなと感じるので、生理痛に限らず、色々な痛みや悩みなどを、仕事場でもちょっと出していけるようになったら嬉しいなと思っています」

伊庭野「やっぱり押し付けちゃ駄目だなっていうのをすごく思っていて。僕らの生理痛の体験も、痛みを体験してもらうのはある意味ちょっと押し付けてるなと思うところではあるんですけど『私が苦しいからわかってください』っていうだけではなくて、もしかしたら自分が苦しいと思ってるときに他の人は、他のことに苦しんでいるかもしれないとか、お互い本当に相手がどう考えてるんだろうってことを考え続けるのが大事だっていうのを伝えたいですね」

生理については様々な考え方や価値観があるため、一つの答えを出すことは難しいですが、RKKでは今後も生理について等身大に考えていきたいと思っています。

※RKK開局70周年記念特別番組 ななまるテレビ「今日、解決はしないけど。」
複雑化・多様化する社会の中で、実はまだ腑に落ちていないことや、ついていけていないこと…そんなもやもやについてRKKアナウンサーの田名網駿一と糸永有希が、ゲストを迎え、答えを出さずにただ話をする番組。