まずは能登半島地震の被災者の方々に心からお見舞い申し上げます。
今から76年前、石川の隣県・福井を凄まじい地震が襲いました。マグニチュード7.1、3769人もの死者を出す大惨事となったのです。
(アーカイブマネジメント部 疋田 智)

「福井空襲」からすぐの時代

戦後まもなくの昭和23年(1948)6月、福井市を直撃したのが「福井地震」でした。福井空襲(昭和20年)で壊滅的な被害を受けた、わずか3年後のことです。
マグニチュード7.1、福井平野のほぼ全域に甚大な被害をもたらし、石川県の被害もあわせて、死者3769人、負傷者2万2000人以上を出しました。(*被害の数値は福井地方気象台による)

福井地震の象徴となった「大和デパート」。この惨状が雑誌『LIFE』の表紙となり世界に衝撃を与えました。

金津町、丸岡町、春江町、森田町(現在のあわら市と坂井市、福井市)で、ほぼすべての家屋が倒壊。福井市でも全壊率は80%、震度6と記録されました。
じつはこの福井地震を契機にして、「それどころではなかった」と、翌年「震度7」が新設されたのです。

各所で地盤の隆起と陥没が起き、地割れが頻発したのは、今回の能登半島地震と似ています。