全国警察のトップである中村格警察庁長官が、安倍元総理の銃撃事件後初となる記者会見に臨み、「警察庁長官として慚愧に堪えない」「検証と見直しの作業に全身全霊を向ける」と述べました。

中村格警察庁長官
「重大な結果を招いたことに対して警察として要人警護警備の責任を果たせなかったものと、きわめて重く受け止めている。警察庁長官として慚愧に堪えません」

警察庁ではきょう夕方、安倍元総理の銃撃事件を受け検証チームが設置され、これを踏まえ臨時の記者会見に臨んだ中村警察庁長官は、「警察庁の関与のありかたなどにも問題があったと認識していて、都道府県警察を指揮監督する立場である警察庁長官としての責任は誠に重い」と述べました。

自らの責任と進退について問われると、「今の段階で私が果たすべき責任は、検証と見直しの作業に全身全霊を向けること。それを全国警察に根付かせるのが私の今果たすべき役割だ」と話しました。

元内閣総理大臣の警護警備をめぐってはこれまで、特段の情勢がない限り、都道府県警察から警察庁への具体的な警備計画の報告は必要とされていませんでしたが、この点について中村長官は「重大な結果を招いたわけで、これは言い訳にはならない」と語気を強め、「しっかりと問題意識を持って、必要な見直しをしていく」と話しました。

また、今回の犯行に手製の銃が使われたことを踏まえた対策について問われると、従来も爆発物原料の販売事業者に対し、不審情報の通報を要請するなど不審者への販売防止の取り組みを進めていることに触れ、「今回の事案を受け強化できることがあればしっかりと検討し実施に移していきたい」としています。