自宅が全壊した夫婦に、「いま一番困っていることは何でしょうか」と聞く。妻が即答する。「トイレ。ここには簡易トイレが設置されていない。トイレが本当にもう…」と声を落とす。地震発生まもない避難所には、被災者の気持ちを折りかねない、深刻なトイレの問題が立ちはだかっていた。

私は1月2日から5日にかけて石川県輪島市などで取材しました。避難所にはまだ十分な物資が届いていない状況でした。
ほぼ全域で断水した輪島市では、トイレの水が早々に流れなくなってしまっていて、3日輪島市内の公共トイレでは、便やトイレットペーパーが便器からあふれ出ている状況でした。話を聞いた避難者の多くも、「トイレに困っている。衛生的に不安」と声をあげていて、ボックス型の仮設トイレや、組み立て携帯型の簡易トイレが、一刻も早く求められる状況でした。