パドレスと5年契約を結んだ松井裕樹(28)が10日(日本時間)、オンラインで会見を行いパドレス入団の決め手にダルビッシュ有(37)の存在があったと語った。

会見で「複数球団の中から、ファーストオファーを受けたのがパドレス」と明かした松井。「非常に熱意を感じた」と言い、メジャーでキャリアを重ねるなかで「フィットして力を発揮しやすいのかな」と入団の経緯を説明した。

大きく気持ちが傾いていく要因の一つになったというのが、WBCを共に戦ったダルビッシュの存在。「WBCで1か月過ごさせてもらって野球選手としてもそうですけど人生の先輩としても本当に尊敬できる方なのでこんな大人になっていきたいなと目指すべき人だなと思った。その方の近くで野球だったり生活していけるのは僕にとって大きなプラスになるのかなと思ったので大きく気持ちが傾いていく要因の一つになりました」。WBCの合宿では公式球に苦戦していた松井がダルビッシュに助言を受けるなどしていて、信頼する先輩と再びチームメイトとなる。

パドレスへの入団が決まり、ダルビッシュに連絡した際には「一緒にできることになって嬉しい」と返事があったという。「多くの熱いファンが球場を埋めてくれるのでモチベーションが高い、素晴らしい球場でプレーできるよ」とアドバイスがあったことも明かした。

今季は楽天で39セーブを挙げパ・リーグのセーブ王に輝くなど、クローザーとして活躍した松井。「試合終盤でのリリーフということになると思うんですけど、まだ僕自身アメリカで1球も投げていないのでいきなり一番後ろというのは自分の中でも思っていない。まずしっかり色んな場所にアジャストして、しっかり打ち取っていけるというところを」。徐々に信頼を重ね、ポジションを勝ち取るつもりだ。

同じナ・リーグ西地区にはドジャースが所属。左腕の松井は、左打者の大谷翔平(29)との対戦が増えると予想される。

「日本でも対戦が少なくてテレビのニュースくらいしか見ていない。まずデータを見て対策をとっていかないといけない。(大谷は)世界最高の左バッターのひとり。多く対戦することになると思うのでチームの勝利のために抑えられるよう全力を尽くしたい」と、大谷斬りを誓った。

3月20日、21日に韓国・ソウルで開催される開幕カードの相手はドジャース。早速、松井対大谷の対戦が実現する可能性がある。

■松井裕樹(まつい ゆうき)
1995年10月30日生まれ。神奈川県横浜市出身、174cm・74kg、左投左打。2012年、桐光学園で第94回全国高校野球選手権に出場し、1回戦の今治西戦で10連続奪三振と1試合22奪三振を記録。2013年に5球団競合の末、楽天に入団。2023年に史上9人目となる通算200セーブをマーク。27歳5か月での達成は史上最年少記録となった。通算成績は25勝46敗236セーブ76ホールド、防御率1.57、860奪三振。