客室乗務員、乗客367人全員を誘導 奇跡の脱出劇 

客室乗務員たちは、367人の乗客をどう誘導したのか。

日本航空によると、当初、機長は機体が燃えていることに気が付いていなかったが、客室乗務員の一人が左側のエンジンからの出火を確認。

さらに、報告を受けたチーフの客室乗務員がコックピットに向かい、機長に脱出の指示をするよう伝えた。

その後まず、前方2か所の非常口から乗客を脱出させることが決まったという。

脱出直前の映像を撮影していたという男性は。

乗客の男性
「炎の光、本当に横だったので」

薄暗い機内を照らすために、懐中電灯のようなものを取りだす客室乗務員。通路にしゃがみ込む乗客を、脱出の妨げとならないよう脇に誘導している。

乗客の男性
「(Q.非常口を開ける指示を受けた?)いや、羽のところは開かなかったんですよ、炎が来てたので。前の方です、前の方が開いたので皆で行った」

男性の座席は、後方・右側の非常口付近。

客室乗務員は、窓の外に火を確認したため、危険だとしてドアを開けない判断をした。男性はその後、前方の非常口から脱出したという。

一方で、火の手が迫っていない後方・左側の非常口を開放。

本来、コックピットからの指示が必要だが、連絡システムが故障していたため、客室乗務員の判断で開けることを決めたという。

日本航空 元客室乗務員 代田眞知子さん
「電気系統がだめ、キャプテンからの連絡がだめだった場合は、何も連絡も来ないのでずっと待っているのではなく、客室乗務員それぞれが判断するという想定で訓練をしています」

代田さんによると、一人が一秒遅れるだけで後ろの乗客の命に関わるため、躊躇している乗客がいた場合、背中を押してでも脱出させることがあるという。

今回の乗客が撮影した映像からも、脱出用シューターから次々と乗客が滑り降りている様子が分かる。

そして、事故発生から18分後。

逃げ遅れがいないか、機内全体を確認した機長とみられる男性が最後に脱出用

シューターを滑り降り、客室乗務員と共に機体を後にした。