“活断層”が動いて地震を生じさせた可能性も

ーー1983年の地震でも5m強の津波を観測しました。あのときも、北海道から九州にかけて広い範囲で観測されたそうですが。今回の地震も似ているのでしょうか。
西村教授:
そうですね。日本海の比較的浅いところ、震源が浅く、海底に震源があるということで、1983年、1993年の地震と非常によく似たタイプの地震ということが言えると思います。
ーーさらに能登半島周辺には活断層が多くありますが、このあたりはいかがでしょうか。
西村教授:
能登半島の北側の海岸線に沿って活断層があるのですが、ちょうどその辺りが、今回の地震の震源域となっているのですが、この活断層と今回の地震の関係性はまだ今後の詳細な調査を待たないとわからないのですが、この活断層が動いて地震を生じさせた可能性があるということです。
今回の地震に関わる小さな地震も含め、発生場所がちょうど活断層のあるあたりに集中していますので、この活断層がもしかすると今回の地震の原因となったのかもしれないと考えることもできます。

ーー気象庁は今のところ、今回の地震と一連の群発地震との関係については不明と言っています。けれどもそれは今の時点で100%の確度で、活断層と関連があるとか、あるいは群発地震と関係がないと言い切れないということと、活断層自体がやはり強い揺れをもたらす規模の大きい地震に繋がったのは、やはり可能性としてはゼロではないという見方でよろしいでしょうか?
西村教授:
そうですね。現状ではまだ十分に確定できるようなデータがないので、気象庁も非常に慎重な言い方をしていますが、群発地震が3年前からずっと続いてたということは事実です。
ただ、今回の地震の震源の広がり方、あるいは地震の規模を示すマグニチュードは、今までの群発地震の震源の広がりや規模に比べると遥かに大きいものなので、この群発地震のみで、今回の地震が発生したということはできないと思います。
ただ、このあたりでは、活断層があり、その活断層は過去にも大きな地震が起きたという痕跡に当たるものですから、それが今回、再び動いたことも、可能性としては十分考えられると思います。