富山市にも捜索ネットワークがあるが…

では、片口さんが預けられていた高齢者施設のある富山市はどうしていたのでしょうか。
実は、富山市にも警察とは別の認知症高齢者を捜索する「見守りネットワーク」があります。
タクシー会社や配達業者、公共交通機関など富山市内の550の団体が捜索に協力し、手がかりが見つかれば24時間365日専門スタッフが窓口対応することになっています。

ところが、この富山市のネットワークは片口さんの捜索に活用されませんでした。

なぜなのでしょうか。富山市の担当者は…。

富山市長寿福祉課 瀬川健太郎主任:「登録した方であれば徘徊が発生した時に情報が配信される仕組みになってます」

記者:「家族が事前登録していない場合っていうのはなかなか利用っていうのは難しい?」

瀬川健太郎主任;「そうですね。その緊急の時に供えて事前に登録していただくことをお願いしています」「見つかっていない方を途中で登録するってことですか?それはないですね」

富山市のネットワークで探してもらえるのは、事前に登録された人だけだというのです。
しかも、登録するまでに2週間ほどかかるといいます。

片口さんは登録していませんでした。
片口さんの次女は、富山市のネットワーク自体を知らなかったといいます。

片口さんの次女:「そういうものの存在自体知らない。家族は分からない。何も知らないですよ。いなくなった、どうしよう探さなきゃって。もうそっちの方、そういう心配しかしていないので」