「ラップやってみない?」喧嘩で高校を中退 そんな時友人の誘いが

あくる日、初めて大曽根駅前のサイファーに参加していたのは、愛場匠音さん(18歳)。

(愛場匠音さん)
「やることがなくて、そうしたら友達が『ラップやってみない?』ってノリで言ってきてくれて。『やってみたい!』ってなって…。それでラップやり始めましたね。今もずっとやっています」

匠音さんは、愛知県一宮市で母親と祖父母の4人暮らし。2年前にラップと出会うまでは、すさんだ時期もあったといいます。

(愛場匠音さん)
「けんかもそうですし、みんなでバイク乗って暴走行為っていうのもあれですけど、そういうのもあったし。このトイレの前ですね、トイレの前で集団リンチされて頭を蹴られて。気付いたらもう病院で…」

高校2年生の春にけんかの末、頭蓋骨陥没の大けがもしました。高額な治療費がかかり、母親を泣かせてしまう結果に。

その後、高校を中退しました。劣等感にさいなまれる中、友人の誘いで始めたのがラップでした。

(愛場匠音さん)
「その子たちは真面目に学校通っていて、ラップも好きでやっている子たちだったので。自分の言っていることに対して、みんなが『ワー!』って盛り上がってくれることがうれしくて」

今年8月には、名古屋で開かれたラップバトルの大会に挑戦し、見事優勝。初めて人に認められたことが自信につながりました。

ラップと出会ったことで、頑張ろうと思えるものに出会えたのです。