自己表現が苦手…孤独の中で出会った「本音を出せるラップ」

亞流さんが通うのは、名古屋市内にある芸術系の高等専修学校。
漫画や声優などについて学ぶ6つの学科があり、一般教科の通信教育を受ければ高卒資格も得られます。
亞流さんは2023年4月に音楽学科に入学し、作曲などを勉強しています。
ここで打ち込めるものと出会えた亞流さんですが、進路を決める際に親と激しく衝突したといいます。
(水野亞流さん)
「お母さんはマジで『普通の高校行って』みたいな。ウチも嫌々勉強してたんですよ、塾とか行って。だけど結局、普通科の学校に行ってもやりたいことが音楽だから。それで何回もけんかしましたね。お互い泣いたりとかしてたし、めっちゃ否定されてましたね」
亞流さんは、岐阜県内で母親と2人暮らしをしています。
(母・正美さん)
「(Qお母さんは普通科の高校に行ってほしかった?)行ってほしかったです。それこそ亞流の親友の子が進学校を目指して頑張っていたから、結局(亞流の親友は)進学校に行ったけど。亞流も頑張って本当は(進学校に)行ってほしかったです」
亞流さんの両親は、彼女が5歳の頃に離婚。母親は家計を支えるため、仕事で家にいないことが多かったといいます。
(水野亞流さん)
「家に人がいないから話し相手がいないとか、学校に行っても転校とかしてたから、いじめられちゃったりして。誰とも話したくない、学校も行きたくないみたいな」
幼い頃から孤独を感じていた亞流さんが、中学3年生の時に出会ったのがラップでした。
これなら自分の気持ちを伝えられると感じ、専修学校で音楽を学ぶことを決めました。
今では、スマートフォンのアプリを使ってオリジナル曲を制作しています。
曲は「あるん」というアーティスト名でYouTubeに投稿しているほか、ライブハウスなどでも披露しています。
(水野亞流さん)
「他人に自分の思ったこととかを言うのがあんまり得意じゃなかったんですけど、その代わりに音楽をやっている時だけは、歌詞で自分の気持ちを言うことが自然とできた」