2024年元日、「駅伝日本一決定戦」ニューイヤー駅伝が群馬を舞台に開催される。全7区間・100㎞で繰り広げられる筋書きのないドラマ。日本一をかけた男たちの熱き戦いに注目だ。
今大会、出場チームの中で唯一の”初”出場、そして山梨県勢としても”初”参戦の、「富士山の銘水」。富士山の銘水はその名の通り、富士山のお膝元、山梨・富士吉田市に本社を置く、ウォーターサーバーメーカーだ。
山梨県初となる陸上の実業団チームで、2022年4月に創部。創設時は日本人選手2人とケニア人選手ひとりのたった3人でスタートした。以来着々と選手を集め、今年はルーキー7人を含む9人が加入し、選手14人とマネージャー、さらには栄養士も加わり本格始動となった。
今年11月に行われた東日本予選。上位12チームにニューイヤー駅伝の出場権を与えられるが、富士山の銘水は6区終了時点で14位と出場圏外に。しかし7区アンカーを任されたルーキー・篠原楓(23)が3人抜きの快走を見せ、11位でフィニッシュ。創部2年目で見事、初めてニューイヤー駅伝への切符を掴んだ。
所属する選手たちの学生時代は、必ずしもエリートと言われるものではなかった。全国の舞台を経験した選手が少なく、それゆえに日本一を決めるニューイヤー駅伝への想いも強い。
キャプテンの小林竜也(23)は「ニューイヤー駅伝は小さい頃から見ていた舞台。箱根駅伝を走ることができなかった自分にとっては、皆に自分の走りを見てもらう大きな舞台だと思っています」と話す。
また創部時のメンバーである湯本樹(24)は「高校、大学と大きな駅伝に出られるチームに所属はしていましたが、個人としては出走が叶わなかったり、チームとして出場が叶わなかったりで悔しい想いをしてきました。ニューイヤー駅伝は実業団選手として誰もが目指す場所。そういう大きな大会に出れることは非常に嬉しいし、楽しみな気持ちでいっぱいです」と初めての大舞台に心を躍らせる。
そんな選手たちを会社も全力で応援やサポートをしている。給水はもちろん自社製の水。食事の時や事務所での作業中も、自社の天然水がいつも側にある。東日本予選でも社員で応援団を結成し、東京と山梨からそれぞれ応援に駆け付け、現地で初出場の喜びを選手たちと分かち合った。
いよいよ迫ってきた大舞台に小林は「会社の人が『東日本予選見たよ』とか『感動した』とか言ってくださって、その中でも1番多かったのは『ニューイヤー駅伝楽しみにしてるよ』という声で嬉しかったです。チームの目標は30位以内としています。色々な方々に観ていただく機会なので、色んな人に恩返しができる走りがしたいです」と意気込む。
2024年元日、新たな一歩を踏み出す富士山の銘水。上州路で「銘水旋風」を巻き起こすことができるか。ニューイヤー駅伝は2024年1月1日、9時15分号砲。