「粗大ごみの廃棄を控えてください」
大掃除のシーズンに、異例の呼びかけがありました。
ごみ処理施設で火災
11月18日、東京江東区の粗大ゴミ破砕処理施設で、砕かれた粗大ごみが発火し、火災が発生しました。
東京23区の家庭から出る粗大ごみを受け入れている唯一の施設です。

焼けたごみの中からリチウムイオン電池などの電池類が見つかったことから、火災の原因はごみの中に含まれる電池類の可能性が高いと見られています。
破砕の衝撃で発火 「リチウムイオン電池」
「リチウムイオン電池」とは、充電することで繰り返し利用できる電池で、高容量化・小型化で利便性に優れています。
▼スマートフォン▼モバイルバッテリー▼電子タバコ▼ハンディ扇風機▼コードレス掃除機
など様々な商品に使用されています。
市民防災研究所理事 坂口隆夫氏:
リチウムイオン電池は、プラスとマイナスの間をリチウムイオンが移動することができます。だから繰り返し充電や放電ができるんです。非常に小さいんですが、大容量で高出力。
軽いのでモバイルバッテリーやコードレスの掃除機など、様々な製品に使われています。
しかし、電池の中に可燃性の有機溶剤の「電解液」が使用されており、衝撃に非常に弱く、衝撃でショートして出火する危険性があります。
東京消防庁によると、リチウムイオン電池を搭載した製品から出火した火災は、今年1年間で166件に上り、過去最多を更新しています。
コメンテーター 山之内すず:
(リチウムイオン電池は)やっぱり便利なものですから、自分たちの持ってるものでもたくさんありますし、だからこそ捨てるとなったときに、ちゃんと調べて人に危害を加えないような形できちんと処理するのが大事ですよね。知らなかったじゃ済まされないことですから。
使用済み電池 捨て方に注意
リチウムイオン電池は自治体によって、処分の方法が異なります。
江東区の場合ー
≪区の集積所に出す≫
乾電池・コイン型電池・リチウムイオン電池などは、「燃やさないゴミの日」に、他のゴミと袋を分けて出します。
注意点として、モバイルバッテリーも電池の袋で良いが、電子タバコやハンディ扇風機などは「電池を含む家電」として別の袋で出す必要があります。

≪メーカーによる自主回収やリサイクル≫
▼電気店などの「リサイクル協力店」に設置された回収ボックスに入れる
※ガムテープなどで絶縁する
≪粗大ごみで回収≫
粗大ごみの品目に記載のあるものは、有料で処分
※パソコンなどはメーカーが回収
坂口氏によると、リチウムイオン電池を回収していない自治体もあるということで、自治体ごとのルールを確認することが大事です。
市民防災研究所理事 坂口隆夫氏:
要は、出すときの分別によって火災が発生するかしないかというのは決まってしまうんです。一旦処理工場に運ばれてしまうとなかなか難しいということなんですね。
コメンテーター 渡辺満里奈:
いろいろなものに入っているので、もしかしたら確認しきれてないものもあるのかな。飛行機でも預ける荷物に入れてはいけないと言われているし、気をつけなきゃと思います。