朝起きても、夜寝る前も考えるのは“塩”のこと…1日も休まない修業の日々

師匠は予約7000人待ちのカリスマ塩職人。弟子に対しても「塩二郎のコピーではなく自分たちの塩を作ってほしい」との思いから、2人が塩二郎さんから直接教わったことはないといいます。

それでも、ひたすら師匠の技を盗みつつ、手探りの状態から塩づくりを追求。365日1日も休まず3年間、修業の日々が続きました。

師匠の田野屋塩二郎さん(左)と

こうして2023年7月、晴れて「田野屋」の看板を受け継ぎ、2人は田野屋紫蘭(しらん)、白兎(はくと)として独立し歩み始めます。

▼英晃さん「見ず知らずの土地で塩だけに集中して3年間過ごすというのは、それだけにも意味があって、技術を身につけるというより、精神を鍛える期間。今振り返ると、私たちが耐えられるかどうか、師匠が見極める3年だったのだと思います」

▼千里さん「休みがないのは大変だろうなと思ってはいましたが、無我夢中だったのですぐに慣れていきました。朝起きたら、まず塩のことを考え、夜寝る前も、明日の作業のことを考え、あっという間に1年、2年と過ぎていきました。」