自民党の派閥からパーティー券の一部がキックバックされ裏金化されていたと見られる事件。今週、東京地検特捜部が強制捜査に乗り出しました。派閥の実務を取り仕切る事務総長経験者の地元で、何が起きているのでしょうか。
安倍派の高木事務総長、お膝元は?
今週、ついに行われた安倍派と二階派への家宅捜索。注目されるのは、安倍派の歴代の事務総長=実務を取り仕切る要職についたことのあるこの4人だ。

▼下村元文科相
▼松野前官房長官
▼西村前経産相
▼高木前国対委員長

TBSスペシャルコメンテーター 星浩氏
「特に安倍派の場合は100人規模のグループですから、事務総長がいろんな実務的な問題を処理するということでやってきまして、お金の差配だとか、それから人事。そういう意味では、いろんな権限を握ってますよね。今回の裏金疑惑のキーパーソンであることは間違いないですね」
記者
「収支報告書に、ご自身が派閥として載せないように指示された記憶はありますか?今の記憶で結構ですけど」

安倍派 高木毅事務総長
「いま捜査の途中でもございますし、大変申し訳ありませんが失礼させていただきます」
2022年8月から現在まで、事務総長を務める高木毅氏。地元は…

福井県敦賀市。2024年3月には、北陸新幹線の駅が開業。期待が高まっている。
高木毅事務総長は、1000万円を超えるキックバックを受けていた疑いが持たれている。東京地検特捜部が高木氏に対し、任意の事情聴取を要請したことが2023年12月21日、分かった。

2000年に初当選した高木氏は、当選8回。安倍内閣では復興大臣の要職につき、岸田政権では国対委員長を務めた。
訴えてきたのは…

高木毅事務総長(2013年)
「安全を確保した上で、原子力発電所を稼働する。そしてこの日本の経済成長に資する」
全国で最も多くの原発を抱え、“原発銀座“とも呼ばれてきた福井県。地元経済活性化のため、原発の稼働を主張してきた。
高木氏の後援会長を務めた人物が取材に応じた。問題が明るみに出たこのタイミングで、事務総長を務めていることについて…

高木氏の元後援会長
「事務方から昔はこうだったんよって言われたのと違いますかね。一番貧乏くじをひいたんじゃないかなという感じで見てますけど」
この男性は、高木氏から派閥のパーティー券を買ったこともあったという。
高木氏の元後援会長
「パーティーがあるということで、本当に偉い先生方の話も見たいしという事で。全国から来るから凄いな、凄いなぐらいで」
東京を訪れた際、地元の要望を次々と役人に伝える姿を見て、頼もしく感じたという。

高木氏の元後援会長
「国交省やら経産省やら。原発がありますから、そういった要望も一緒に付いて来てもらったり。高速道路、敦賀から北陸道に連結して、早く作ってくれと要望はしてましたね」
福井県で、別の安倍派議員を支援していた男性も…
派閥のパーティー券を買った 安倍派議員支援者
「国政へ、例えば経済産業省なんかに陳情に行く。いざとなったときにはやっぱり、国会にそういうパイプを持っている、持つということは、地域にとっては大事なことだと思うし、本当に地域の実情をしっかりと理解して、それを国政に生かしてもらえるっていうのは、やっぱり国会議員の先生ですから」
しかし、安倍派の裏金疑惑が明らかになると…
派閥のパーティー券を買った 安倍派議員支援者
「我々の会社で言えば売上を、利益を粉飾して裏金を作ると。100万200万のことでも厳しく、税務署なんかも追及してくる。だったらちゃんと、そういうことを自ら身を正してやってくださいよ」

高木事務総長の地元でも、盛んに売買されていたパーティー券。安倍派関係者への取材で、高木事務総長が、今年5月のパーティー開催前にキックバックを中止することを、一部の議員に伝えていたことが分かった。安倍派内で資金管理の問題を認識し、方針を変更した可能性がある。