コンクリートの床で飼育され、足裏の毛が無くなり、血に染まっているうさぎ。体は糞便まみれ、栄養状態は悪く痩せ細り、下半身不随のまま治療を受けられない個体も…。これらは、以前「多頭飼育崩壊、小学校のうさぎ小屋の現状」として詳報した小学校で飼育されるうさぎが直面する、悲惨な現状の一部だ。※関連リンク参照
この特集では、問題を認識しながらも予算不足から何もできず、放置してしまう学校側の事情も浮き彫りになった。一方で、動物飼育のあり方を見直し、新たな取り組みを始めている学校も存在する。「命の大切さを学ぶ」、その理念を実現するための模索が続いている。


◆「動物の些細な変化にも気づき…」“命と触れる”体験

子供たちに大人気モルモットの「ゆきちゃん」

福岡県太宰府市にある太宰府西小学校。2年生の教室で飼育されているモルモットの「ゆきちゃん」は子供たちに大人気だ。「ゆきちゃんの大好物はモコモコなの」、「ゆきちゃんと一緒に暮らしたいな」子供たちの無邪気な声が聞こえる。モルモットの健康状態も良好なようだ。休み時間には飼育係が当番でゲージの掃除や餌の交換をする。


担任教師「ただかわいがるだけではなくて、例えば怪我していたり血がついたりといった、動物の些細な変化への気づきとか、視野の広がりにつながっていると感じます」

実は太宰府西小学校は、動物飼育に自力だけで取り組んでいるのではない。3年前、兵庫県の大手前大学が研究する新たな取り組みのモデル校となったことがきっかけで、動物飼育を始めた。