研究を実施している大手前大学の中島由佳教授も、予算の確保が課題だと指摘する。

大手前大学現代社会学部 中島由佳教授「この補助金が終わってしまったときにどうやって継続していけるのかといこと。ひとつの小学校だけのために予算をもらうのは難しいと思うので、餌なら教材費に含めるですとか地域の獣医師会からなんらかの援助をしていただくとか
、あとはホームスティで地域の方々の協力をいただくといった地域との連携も重要かなと思います」
また多くの自治体には学校での動物飼育への支援制度があり、獣医師への相談や、飼育小屋訪問の依頼については、この制度の予算を利用することができる。しかし、福岡県教育委員会によると動物を飼育している328校の小学校のうち、この制度を活用したのは12校にとどまる。(※福岡市と北九州市はデータに含まれていない)制度の周知も課題だ。
◆“学校での飼育ではない”選択肢も
一方、そもそも学校での動物飼育を選択せずに「命の大切さ」を学ぶカリキュラムを実施している自治体もある。福岡県みやま市の水上小学校は、隣の市にある八女農業高校での出張授業を実施している。11種類、700頭以上の動物を飼育する八女農業高校。子供たちは、牛に餌をあげたり、うさぎと触れ合ったりしながら、動物についての正しい知識も学ぶことができる。子供たちの中には、自然と動物への愛情が芽生えているようだ。

出張授業を受けた児童「もし犬とか猫が雨の日に捨てられていたらかわいそうだから病院に連れていってあげたいと思う」
「いろんな動物と触れあって、動物の命も人間の命も大事だなと思い
ました」
◆「学校での飼育がすべてではない」様々な形を模索
大手前大学 中島由佳教授「学校で飼うことがすべてではなくて、農業高校を訪問してもいいし、動物園で触れ合うのでもいい。動物と触れ合わせたいという大人の熱意は必ず子供に伝わるはず。それがどういう形であっても私はいい試みだなと思っています」
学校での動物飼育の目的は、「生徒が命の大切さ、尊さを学ぶこと」である。予算の確保もできないまま飼育することで、逆に命を弄ぶようなことがあっては本末転倒だ。また、教育現場の人手不足、働き方改革で、ただでさえ子供と向き合う時間が減っている中で、無理に学校飼育を実施することは、教員にも生徒にとっても負担が大きい。“動物と触れ合うことで命の大切さを学ぶ”この本来の目的を見失わずに、情操教育の在り方を模索する必要がある。














