今夜の激しい雨に関していえば、広島市内の広い範囲で降ったのであまり違いはありませんでしたが、過去に大きな被害が出た、2014年の広島土砂災害(77人犠牲)や、2018年の西日本豪雨(151人犠牲)で多くの犠牲者が出たのは、郊外の山沿いの地域です。平地が少ない広島市では平地が少なく山の斜面を切り開いて多くの住宅地が広がっています。そして土砂災害の危険エリアに多くの人が住んでおり、土石流の直撃を受けて甚大な被害につながります。
今回、警報を区ごとに発表することで期待されているのが、自治体の防災対応の効率化です。広島市は、合併で市全体の面積は広く、同じ市内でも気象条件が大きく異なるため大雨への警戒や避難情報を出すかどうかの防災対応はそれぞれの区ごとが判断して行っています。
一方、これまでは「警報」や「土砂災害警戒情報」が広島市全体に発表されていたため、区によっては、たいして雨が降っていないのに大雨に関する情報が度々出されることがあり、発表される情報に対する信頼度の低下が懸念されていました。
こうした状況を受けて、自治体が避難指示を出すか判断する目安でもある「土砂災害警戒情報」は、すでに去年6月から区ごとの発表に変更されています。今回の警報・注意報の変更は、それに続く形といえます。
また、大雨以外の警報・注意報についても市全体へ発表する形のままだと受け手の混乱が危惧されるため、すべての警報・注意報に対してことしから区ごとの発表へ変更されています。(波浪や高波、高潮などは海に面した区のみ)