今年1年、日本のプロスポーツ界に大きく貢献し、業績を残した選手及び団体に贈られる第53回内閣総理大臣杯日本プロスポーツ賞が21日、東京都内で行われ、3月に世界一を奪還したWBC野球日本代表(侍ジャパン)が2006年以来、2度目の受賞となった。

最高新人賞には、車いすテニスの全仏オープン、ウィンブルドンの男子シングルスで優勝した小田凱人(17、東海理化)が選ばれた。

黒の蝶ネクタイに全身黒のスーツで登壇した小田。最高新人賞を受賞し「とてもびっくりしているし、とてもうれしい。パラスポーツ選手の受賞が多くない中で、受賞できたことをうれしく思います」と、喜びを語った。

さらに、「今年はたくさんのいい思い出ができた。来年はビッグイベントがあるので、さらにいい報告ができるようにがんばりたい」と話した小田。2024年のパリパラリンピックに向けて、「パリパラリンピックは全仏の会場で、同じコートで決勝が行われると思うので、目指す所はただ一つ、頂点しかないのでそこを目指して頑張りたい」と意気込んだ。

凱人(ときと)という名前は、「勝利への凱旋」を意味し、パリの凱旋門から名づけられたという。自分の名前の由来となった地で、自身初となるパラリンピック金メダルへ挑戦する。

小田は、6月の全仏オープンを4大大会史上最年少の17歳33日で初制覇し、史上最年少で世界ランキング1位になった。続く7月のウィンブルドンも制した。1月に現役を退いた第一人者の国枝慎吾さん(39)からバトンを引き継ぎ、日本の新エース誕生を印象づける飛躍の1年となった。

【日本プロスポーツ大賞受賞者】

■日本プロスポーツ大賞
・WBC野球日本代表チーム(野球)

■殊勲賞
・北口榛花(25、陸上)
・大谷翔平(29、MLB)
・井上尚弥(30、ボクシング)

■特別賞
・阪神タイガース(野球)
・ヴィッセル神戸(サッカー)

■最高新人賞
・小田凱人(17、車いすテニス)

■功労賞
・石川佳純(30、卓球)
・イ ボミ(35、女子ゴルフ)

■敢闘賞
・宮田莉朋(24、モータースポーツ)
・山下美夢有(22、女子ゴルフ)
・宮澤ひなた(24、女子サッカー)

■新人賞
・村上頌樹(25、野球)
・熱海富士朔太郎(21、大相撲)

■スポーツ功労賞
・舘信秀(76、モータースポーツ)
・東福寺保雄(67、モーターサイクルスポーツ)
・綾部美知枝(75、女子サッカー)

■小田凱人(おだ・ときと)
2006年5月8日生まれの17歳。愛知県一宮市出身。9歳で左股関節に骨肉腫を発症し車いす生活に。国枝慎吾さんに憧れ10歳で競技を始め、13歳で世界ジュニアマスターズ単複史上最年少優勝。22年4月、15歳でプロ宣言し、23年6月の全仏オープンで史上最年少優勝、7月のウィンブルドンも制した。