Jリーグは19日、都内で野々村芳和チェアマン(51)と8人の理事が参加する理事会を開き、現行の2月頃開幕の「春秋制」を2026年から8月頃開幕の「秋春制」とすることを決定した。「シーズン移行の実施に向けて、残された課題については継続検討」するとしている。

2026-27シーズンは、2026年8月1週頃に開幕、12月2週頃の試合後から2027年2月3週頃の試合までをウインターブレーク期間とし、2027年5月最終週頃に閉幕する。

14日に行われた実行委員会では、J1、J2、J3の全60チームが賛否に関する投票を行い、86%の52チームが「2026ー27シーズンからシーズン移行を実施することを決め、残された課題を継続検討していく」に投票し、意向に賛成。残り8チームは現時点での移行に反対を表明していた。

Jリーグ開幕から30年を経て、日本代表はW杯の常連に。ベスト16に進出するまでになったが、国内組の割合は低下傾向にあるJリーグとしては国内にいながら世界と戦える環境を構築し、Jリーグから日本代表選手、W杯メンバーを輩出していきたい考えだ。J リーグのレベルや価値を上げ、アジアで最強のリーグになる必要があるとしている。さらにACLの「秋春制」移行などの外部環境の変化というきっかけもあり、今春から意見交換や議論が進められてきた。

「秋春制」にすることで酷暑下の試合数が減り、選手のパフォーマンスが向上する点や、欧州とシーズンが一致することで移籍金の増加が見込める点を重視し、リーグ側はシーズン移行を推進する立場を表明していた。

しかし、課題も山積みだ。試合日程に関してや豪雪地帯でのスタジアムの確保、JFL・地域リーグ・大学・高校との連携に関してに加え、移行期に行われるハーフシーズンの大会の概要やそれぞれにかかる財源の確保と活用方法も完璧な決着はついておらず、これらの課題を継続して検討する。

Jリーグはここまで30年で日本全国60クラブにまで発展し、地域に根付いたプロスポーツに育ってきた。ここからの30年でJリーグを世界で戦う舞台へと変えるため、「秋春制」に移行。「世界基準のリーグ」への一歩を踏み出した。