全国のなかで唯一、「男女別の定員制」が導入されているのが東京の都立高校。
その一方で、定員が男女別で設けられていることで、同じ高校の入試でも、男女の合格ラインが異なってしまい「不平等だ」との声が上がっていました。
男女別定員の段階的な廃止を進めていた都の教育委員会。
2024(令和6年)年度の都立高入試では、全国で唯一実施していた「男女別定員制」を廃止し、「男女合同選抜」に移行します。
この移行によって、どんな変化があるのでしょうか?
2023(令和5年)の都立高入試のデータから、今年の男女合格率のバランスを分析しました。
「男女合同枠」の拡大で女子の合格率増加が9校 三田・鷺宮など 男子の合格率上昇はなし
東京都教育委員会は不公平を是正するため、一般入試における男女合同の選抜枠の割合を段階的に増やしてきました。
2023年都立高入試では、男女合同枠を2割に拡大し、選考が行われました。
全108校の内12校については、この「男女合同枠」が、男子だけ・女子だけで埋まりました。(東京都教育委員会の資料をもとにスクールIE調べ)
◆男子の合格者だけで「男女合同枠」が埋まった学校:東大和南
◆女子の合格者だけで「男女合同枠」が埋まった学校:三田・鷺宮・竹台・神代・広尾・豊多摩・竹早・日本橋・富士森・東村山・井草
とりわけ女子の合格者で「男女合同枠」が埋まった11校は、制服や校風など、何らかの要因で、女子の志願者自体が多いことが理由とみられます。
では、男女別の定員がなくなることで、合格者の男女比はどう変化するのでしょうか?
2023年の男女“別”定員で行われた都立高校入試結果を、男女“合同”選抜で合格不合格を判定しなおしました。
すると男子の合格率が上昇する学校はゼロ。
女子の合格率が上昇する学校は9校でした。
9校は(三田・鷺宮・竹台・神代・広尾・豊多摩・竹早・日本橋・富士森)です。
ただし上記の9校は、そもそも男子の志願者数が少ないため、男子の合格率が大幅に下がることはない見込みです。