参議院選挙は7月10日。でも、選挙のたびに「どこに投票したら良いかわからない!」と悩む方は多いと思います。何か参考になるところはないのか?投票先の選択に役立つサイトを取材しました。
■市民有志が政党にアンケート「みんなの未来を選ぶためのチェックリスト」
まずは、市民有志が立ち上げた、「みんなの未来を選ぶためのチェックリスト」というサイトについて。発起人の一人、町田彩夏さんに伺いました。
ーーどんな活動をしているのでしょうか?
「みんなの未来を選ぶためのチェックリスト」発起人の一人 町田彩夏さん:
有志で集まって、「この問題、政党はどう考えているんだろう」ということを基に、みんなで質問を考えて、公開質問状を各主要政党にお送りするというプロジェクトです。それで政党から返ってきた答えを「みんなの未来を選ぶためのチェックリスト」というサイトにまとめました。
ーーどんな質問を調査したのでしょうか?
「みんなの未来を選ぶためのチェックリスト」発起人の一人 町田彩夏さん:
20項目、43問で、例えば文化芸術、教育、ジェンダー平等、性的マイノリティなどが20項目。サイトでは、その問いに対して、各政党がどのように考えているのかが、〇か×かで一覧表になっています。見る人もすごくわかりやすいようなサイト作りを意識しました。
今回の選挙に合わせては、おもな政党に質問を送っていて、例えば「ジェンダー平等」の項目では「選択的夫婦別姓制度を導入しますか?」、「教育」の項目では「高等教育の無償化を目指し、学費を早期に半額まで引き下げますか?」といった具体的な質問が並びます。
そしてその答えを、わかりやすく「〇✕形式」で一覧にしているのですが、さらにクリックすると、その詳細も載っていて、「〇」とは答えているけど実際には「検討します」と言ってるだけ、本当はやる気がないのかもしれない、というのも分かります。
他にも、「食と農業」「入管問題」「税金/税制」など、街頭演説などで大きく取り上げられないテーマもあるので、「みんなの未来を選ぶためのチェックリスト」で、自分の気になるテーマだけでも見てみるのはいかがでしょうか。
■自分の考えに近い政党を教えてくれる「投票マッチング」
一方で、じっくり読み込む時間はない!自分に合った投票先をもっと手軽に知りたい、という人は、こんなサイトもあります。選挙情報サイト「選挙ドットコム」の、「投票マッチング」というサービスです。編集長の鈴木邦和さんに伺いました。
ーーどんなサイトなのでしょうか?
選挙ドットコム編集長 鈴木邦和さん:
このサービスはウェブ上で、国政に関する20個の質問に答えると、その人に一番近い政党や候補者を紹介するサービスです。例えば「消費税を減税すべきですか」「原発の再稼働を認めるべきですか」という質問に対して、イエス・ノーで答えていくと、最終的にその人に一番政策的に近い政党が、マッチング度を含めて出てきます。
ーーどうしてこうしたサイトを作ったのでしょうか?
選挙ドットコム編集長 鈴木邦和さん:
公約を一つ読むだけでも、ちゃんと読んだら何時間もかかります。主張なものだけで9政党あるので、とてもじゃないけどそんな時間はない。かといって適当に選ぶわけにもいかない。じゃあどうやったら政策に基づいて選べるか、短時間で選べるかと考えた末に、この投票マッチングというサービスに辿り着きました。こちらは、20個の設問に答えると、自分の考えに近い政党をマッチングしてくれるサービス「投票マッチング」。
「消費税を10%から5%に引き下げるべきですか?」、「最低賃金を時給1500円まで引き上げるべきですか?」といった質問に対し、「賛成」「やや賛成」「中立」「やや反対」「反対」から回答を選んでいくと、最終的に自分の考えとの「マッチ度」が、ランキング形式でわかります(「〇〇党、80%」など)。
簡単な所も人気のようで、現時点で、利用者は50万人を超えたそうです。去年の衆院選では、およそ350万人が利用したそうです。
でも、こうした比較サイトがあっても、選挙に関心を持ってもらわなければ、意味がありません。特に10代の投票率は、60代の投票率の半分程度しかありませんが、鈴木さんたちは、こうした若い世代に向けた新たな取り組みとして、動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」での動画配信を始めています。