名古屋市中村区にある「名鉄名古屋駅」。
ひっきりなしに電車が入ってくるホームの少し高いところには、謎の小部屋があることを知っていましたか?

ここでは、電車の発着案内が自動音声ではなく、全て駅員による実況アナウンスで行われています。
2分おきに次々と電車が来る名鉄電車の運行全体を支える、その名も「DJブース」で働く職員の1日に密着しました。

行先は29通り!?日本一迷う駅「迷駅(めいえき)」

「電車に乗るのが日本一難しい」と「名駅」ならぬ迷う駅、「迷駅(めいえき)」と呼ばれる事もある名古屋鉄道の名鉄名古屋駅。
利用し慣れている人でも、迷うことがあるほどです。

難しいと言われる理由は、駅の構造。

名鉄名古屋駅を通る路線は上りが豊橋、知多半田、下りが岐阜、弥冨、犬山方面など11路線もありますが、線路は上り下りそれぞれ1本だけ。

さらにそれぞれに「普通」や「急行」など、実に29通りもの行き先にわかれています。

それぞれ乗車場所も違い、色分けこそしてありますが、そもそも色分け自体が分かりにくいという声も。

電車によって車両数が違い、ホームの停止位置も違うので間違って慌てる乗客もいます。

一日およそ900本も発着する、行き先や種類の違う電車を全て捌くのが、謎の小部屋、“DJブース”です。

(名鉄名古屋駅・吉泉洋 駅長補佐)
「乗り換え案内などをしている。それをしないと電車が発車できない」

名鉄名古屋駅の駅長補佐であり、DJの吉泉洋さん(54歳)。ブースは上り下りに一つずつありますがこの日、吉泉さんは「上り担当」です。