札幌市に、がんで余命宣告をされながらも活動を続ける舞台俳優がいます。彼が舞台に立ち続ける姿と、その思いを取材カメラが見つめました。
斎藤歩さん、58歳。札幌を拠点に全国で活躍する、舞台俳優です。今年1月、余命半年と宣告されました。
俳優・斎藤歩さん58歳「『抗がん剤治療しなきゃだめだね』って言われて、抗がん剤なら勘弁してくれって言ったら、『このままだともって半年かな』とか言われて」

しかし、斎藤さんが重くとらえることはありませんでした。
俳優・斎藤歩さん58歳「俺は言うからね、隠さなかったから。『がんなんだ、がん!』って。そしたらみんな、『ああそうですか』って言うしかないもんね」
北海道大学在学中に、演劇の世界に足を踏み入れておよそ40年。映画『探偵はBarにいる』など、数々の作品にも出演し、北海道の演劇界を牽引する存在として、表彰されるほどです。
そんな彼に異変が現れたのは、札幌で、東京オリンピックのマラソンが行われた2021年夏のことでした。
斎藤歩さん58歳「おととしの8月ごろ、突然血尿が出た。泌尿器科行って『変だな』って思って。お医者さんは石(尿路結石)じゃないかって言ったんだけど、精密検査をしたら『変だ』と」

診断は「尿管がん」。「これは治る」。そう伝えられ、手術を受けました。しかし、3か月後、経過観察で検査を受けたところ、新たな事実がわかります。
斎藤歩さん58歳「結局リンパのがんだった。『尿路上皮がん』、それが発端のがんじゃないかってお医者は考えてるんだけど、でも転移したのかな、ちょっと分かんないみたい」