松野官房長官は「疑惑がグレー」と自ら認めてしまったか
日比麻音子キャスター:
まずは後藤さん。松野氏の会見は、どのようにご覧になりましたか?

TBS報道局 後藤俊広 政治部長:
この疑惑が出たことに対して明確な回答がないというのが、8日の会見では午前、午後と繰り返されました。これは、疑惑に対してグレーゾーンであるということを、自ら答弁の対応で認めてしまったのではないかと私はみています。
ですから、さらに明確な回答を求められることになると思います。
井上貴博キャスター:
官房長官として、これだけコメントできないということが続くと、官房長官としての体をなしていないというか、メディア対応ができない。機能不全に陥っている。
辞めるしかなくなる気がするのですが、辞めるとなると、それは岸田政権の終焉を意味しませんか?
TBS報道局 後藤俊広 政治部長:
官房長官というのは、閣僚のなかでも特別です。つまり1日2回、政府を代表して会見します。
そういう意味で、官房長官を更迭するということになると、内閣総辞職に準じるぐらいのダメージを負ってしまうということになります。ですから松野さんの処遇、去就についても、おそらく岸田さんが逡巡しているのではないかというのは想像できます。
井上キャスター:
このままいくわけですか?

TBS報道局 後藤俊広 政治部長:
今、岸田さんができる選択肢は狭まっているんですけれども、一つあるとしたら、すみやかな内閣改造。政権がどこまで続くかわかりませんが、今の急場をしのぐためには、全体をシャッフルするぐらいに人心を一新できるかどうかが鍵になってくると思います。
日比キャスター:
宋さん、ここまでどのようにご覧になりますか?

産婦人科医 宋美玄さん:
私も政治家の友人は何人かいるんですけれども、本当に政治家はお金がかかるというのは、みんな口を揃えて言います。
ただやっぱり、こういう明らかな裏金というと、我々庶民としてはしっかりちゃんと納税したり社会保障費を払ったりしているのに、こんなことで政治家の人たちがポケットにお金を入れているというのは、不信以外の何物でもないと思います。
説明を上手くできないということは、それを引っ張れば引っ張るほど、不信感がどんどん強まりますよね。
井上キャスター:
シンプルに政治家も、民間の我々と同じように「経費を落とすためにはすべて領収証が必要です」というルールにできないんですか?なぜそれができないのかが、ものすごく腑に落ちません。

TBS報道局 後藤俊広 政治部長:
政治というのは、不透明な部分がかなりこれまでありました。こういった事件、問題が起こるたびに政治資金のあり方、透明化というのが議論されてきました。
むしろ、こういった状況をいい方向に転用するといいますか、さっき井上さんが指摘されたような明確化、領収証などですべて透明化するというふうな動きにどうやって持っていくか。それは一つ、政治が試されていると思います。
井上キャスター:
政党交付金も入っているわけですもんね。我々の税金ですよね。
産婦人科医 宋美玄さん:
我々なんか、10月からインボイス制度とかが始まって、めちゃめちゃ少額のものでもすごい手続きが必要になったのに、落差がすごすぎて…。
井上キャスター:
「政治家の皆さんは、こういうふうに感じている我々の思いをわかっていただけていますか?」と感じてしまいますね、ああいう対応を見ていると。
産婦人科医 宋美玄さん:
やっぱりちょっと、感覚の乖離もありますよね。