49年前に亡くなった軍一さんが残した資料には、消雪パイプ誕生に向けた工夫のあともありました。

軍一さんの息子・亀川純一さん(75)
「いわゆる“消雪パイプ第1号”の図面。実際にパイプをアスファルトの中に埋め込んだわけだが、噴出口、穴の口径は7ミリから10ミリ。まだこのころは、どうやっていいか分からないので、7から10ミリくらいの穴だろうというような程度で書いてある」
市街地でも3メートル以上の積雪『38豪雪』と消雪パイプ
ポンプで地下水をくみ上げて、穴から水を撒く仕組みは今と同じで、冬でも水温が下がらない地下水を利用して雪を融かす消雪パイプ。誕生から2年…その威力を最も見せつけたと言われているのが、1963年=昭和38年に起きた大雪「38豪雪」です。

『38豪雪』は北陸地方の日本海側を中心に、各地で甚大な被害をもたらしました。
1月末に長岡では観測史上最大となる3m18cmの積雪を観測。
各地で列車が立ち往生し、中でも新潟発上野行きの急行は『106時間遅れ』…“日本鉄道史上最大級の遅延”となりました。
自衛隊が『火炎放射器』まで繰り出して雪に対抗しますが、立ちはだかる白い塊には歯が立ちません。

街をも埋め尽くした雪…そんな『38豪雪』にも誕生したばかりの消雪パイプが威力を発揮したのです。