外装は「岡山駅・高松駅で迷わないように」配慮 どんな風に?

ーこの外観のデザインについてはどういったところを考えて?

「同じ路線を走る8600系が、予讃線のイメージである路線カラーである『オレンジ』だということで、(【画像⑩】のような)愛媛のみかん・瀬戸内の気候などをイメージしたオレンジ、香川のグリーンということで、車両のデザインをさせてもらいました」

【画像⑩】予讃線の路線カラーは「オレンジ」

「高知に行く車両は、赤色をベースに『南国のイメージ』=踊りの情熱というテーマで持たせましたので、今回も車両を『8600系と同じようなオレンジの配色にする』というところです」

「高松駅や岡山駅で特急列車が並んだときに、『愛媛の方に向かっていく車両』なのか、『徳島・高知に向かっていく車両なのか』と、見た目にすごくわかりやすいというデザインにしました」

【画像⑪】確かに「うずしお」と「しおかぜ」は名前で間違えやすいかも...

「ただ現行走ってる8000系のカラーリングも、やっぱり結構ファンの方いらっしゃいまして、グッドデザインも獲得した車両のデザインなので、そういう愛着も持たれている方もいらっしゃるのかなと思いました」

「なので、8600系のカラーリングも入れながら、現行の8000系のデザインというところも残しながら、今の8000系と8600系のデザインを融合させたというようなデザインで、今まで乗っていただいた方にも親しみを持って使っていただけます」

【画像⑫】これまでの8000系のカラーリングも取り入れて

「また新しくより速くということで、『しおかぜ』『いしづち』は我が社でいくと8両編成で最も長い編成になりますので、デビュー当時(【画像⑬】参照)の『横に長いデザイン』に戻すことで、その長い編成がよく映えるデザインにと『ラインのデザイン変更』(【画像⑭】参照)をさせていただきました。

【画像⑬】デビュー当時の8000系のカラーリング
【画像⑭】今回のリニューアルでのカラーリング

8000系は新幹線をイメージしたフォルム 高揚感もひとしお!

ー「しおかぜ」「いしづち」の行き先はJR四国を代表する土地の一つだと思うんですが。

「ご旅行で使っていただくときに、本当に『新幹線をイメージするようなフォルムの列車』ですので、この列車がホームに現れたときの旅の高揚感はひとしおだと思いますので、そういう旅の演出として、こういうデザインの列車に乗っていただくというところで旅行も鉄道旅行を楽しんでいただけたらな、というふうに思っています」

【画像⑮】ちょっと台湾の新幹線も想起させる感じが素敵

「正直、列車のデザインをリニューアルすると言ったときに、外観を変えるかどうかという話もあって、やっぱり看板列車でファンの方も多いので、僕は『あんまりいじっちゃいけないな』とも言ったんです」

「だけど内装をせっかく変えてもパッと見たときに『この車両が新しくリニューアルされているかどうか分からない』というのはちょっとどうかなっていうのもあったので、外観の方もいじらせてもらいました」

【画像⑯】試験運転時の8000系(1992年)こちらのお子さんも今は35歳くらい?

「僕が会社に入ってすぐに出た車両で、そのときは『すごく速そうなフォルムの列車がJR四国にもできたな』と思っていたんですけど、その車両を自分が担当するとは思っていなかったので、その初代のデザインに愛着のある方もいらっしゃると思いますし、今知っている8000系に愛着持っている方もいらっしゃいると思いますので」

「そういう方のイメージも踏襲しながら、この先『新しさ』も入れて、デザインも『すごく変わった』ということはないと思うんですけれども、ベーシックな中にも、今までと違う8000系の魅力を出せたらなと」

「スピード感というところでは、『今までのデザインと、ちょっと踏み込んでデザインできたかな』というふうに思っています」