自民党派閥で「政治とカネ」をめぐる問題。自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる問題についてお伝えします。
現事務総長「直接、会計に関わっているわけでもないので、なんとも…」
上村彩子キャスター:
自民党最大派閥の安倍派が、“政治資金パーティー”の収入の一部を、議員側に“キックバック”し、一部、収支報告書に記載していなかった疑いが持たれています。
その総額は、過去5年間で、1億円を超えるとみられ、少なくとも5人の議員が裏金を作っていた疑いがあるということです。

東京地検特捜部は捜査を進めていて、これまで、派閥の関係者が、任意で事情聴取を受けていました。
関係者によりますと、その後、キックバックを受けていた疑いがある安倍派議員の秘書にも、任意で事情聴取を行ったということです。
“政治資金パーティー”とは、そもそもどういうものなのか。
▼目的は、政治資金集め。
▼チケット(パーティー券)の相場は、約2万円。
同じ人物や団体からの支払いは、20万円を超えると、収支報告書に記載する義務がありますが、20万円以下なら、記載義務はありません。
▼チケットには、販売ノルマがあります。
若手の議員ですと、数十枚。大臣経験者となると300枚、総額600万円にも及ぶということです。

二階派の桜田義孝 元五輪担当大臣は5日、「パー券(パーティー券)さばくのは大変で、財政的に厳しい」と語りました。
ノルマが厳しいことから、桜田 元五輪担当大臣は、二階派に退会届を提出しています。
そして、“キックバック”の流れについて。
▼安倍派は、それぞれの所属議員に、販売ノルマを課します。
▼所属議員は、それぞれが企業や団体にチケットを販売して、売り上げを振り込みます。

今回わかったのは、ノルマの超過分を、所属議員にキックバックしていた疑い、そして、収支報告書に記載していなかった疑いです。
過去5年間で、キックバックは1000万円を超え、複数の議員が受けていたとみられています。
派閥の運営を取り仕切る役割でもあり、資金の流れを知りうる立場でもある、歴代の事務総長は、どのようなことを語ったのか。

“元”事務総長の松野 官房長官は、「政治団体の活動に関することであり、政府の立場としては、お答えを控えたい」(6日)
“前”事務総長の西村 経済産業大臣は、「今は政府の立場。派閥の全体を管理する立場ではありません」(5日)
“現”事務総長の高木 国対委員長は、「慎重に事実関係を確認して、適切に対応したい。直接、会計に関わっているわけでもないので、なんとも…」(4日)
キックバックや裏金について、説明はなかったという状況です。