「大谷はどのチームと契約するのか?」4日から開幕したウィンター会議ではエンゼルスからフリーエージェントとなった大谷翔平投手(29)争奪戦に話題が集まり、現地で最も多い質問となっている。このオフのトップ・フリーエージェントである大谷サイドが情報漏洩を嫌い徹底した情報規制をしくことで情報が例年以上に錯綜し、ミステリーとも称されるほどだ。この状況も仕組まれたものなのか、仕掛け人であり大谷サイドのキーマンとなる代理人のネズ・バレロ氏の実像に迫るべく、「The Athletic」のエンゼルス担当、サム・ブラウ記者に「ネズ・バレロ氏はどんな人?」なのかを聞いた。
エージェント(代理人)として全てをコントロールする
Q.代理人ネズ・バレロとは
サム・ブラウ記者:
難しい質問だね、彼のことは色んな風に言える、エージェントとしては全てをコントロールしている人だ。大谷がエンゼルスに在籍していた時がいい例だ。大谷は自由をすごく与えられていた。それは代理人のネズが翔平とエンゼルスの間に入っていたからだ。彼は大谷のエンゼルスでの扱われ方もコントロールしていたし、メディアの扱いもコントロールしていた。一時、それが話題になってどれだけ主導権を握りたい人かが伝えられた。彼のエージェントの仕事としては毎回どのような状況でも主導権を握ることが大事、全て上手でなければならないというものだ。

メディアの部分に関してはやりすぎかとは思った。誰も徳をしなかったと思うし、むしろ大谷の評判が落ちたかもしれないし、それが記事にされた。そこのミスコミュニケーションがたまに必要のないゴタゴタを産んでいた事はあった。ただ…
懸命に働く彼を選手がリスペクト
Q.ただ…
ブラウ記者:
ただ、それは同時に、代理人ネズは本当にクライアント(大谷翔平)の事を思って仕事をするし、懸命に働く。ここまで彼は担当していた選手を大事にしてきたし、僕が知る限り全員、彼のことを気に入ってるし、仕事が出来、頼られているだろう。選手とエージェント以上の関係だと選手たちは思っている。彼の経験と経歴もすごい。選手時代の1987年に全身の怪我があったが、再びプロレベルでの野球をしていた。ネズのすごいところは状況を理解しコントロールすること、それと同時に選手に徳をもたらす事だと思う。それだからこそ選手が彼をリスペクトするのだと思う。
Q.彼の評判についてどう思うか
ブラウ記者:
誰に聞くかによると思う、選手に聞けばいい意見を聞けると思うが、もし僕に聞くのであれば、そこまでいいことは言えない…彼は我々メディアの仕事を難しくする、それについては強く思う。彼もそれに関して反論はしないと思う。彼に聞かないとわからないけど、彼の評判はさっき言った通り、時と場合によっては気難しく難しい相手だ。ただ、彼はすごく饒舌、たまに気難しい人なのだが、エージェント(代理人)として一流であり、その評判としては、彼はこの仕事をする運命だったと思えるという感じかな。
大谷争奪戦の行方は
Q.トロント・ブルージェイズと面談した可能性も伝えられている。大谷選手は最終的にどこに行くのか?そしていくらで契約するのでしょうか?
ブラウ記者:
分からない。チームのことは全然わからない。僕はまだドジャースを選ぶと思う。でも、どのチームもまだ候補に残っているとは言えないよ。エンゼルスに戻っても驚かないし、いろんな意味で彼にとって居心地がいいし、居心地がいいだけじゃなくて、さっきも言ったように、エンゼルスのおかげでいろんなことができるようになった。この地域はメディアが少ないからね。彼はそういう環境で本当に成長すると思う。だから、彼がエンゼルスに戻ってきても驚かないよ。大きな変化ではないので、ドジャースが最も可能性が高いと思う。そこまで大きな環境の変化なく勝てる位置に自分をおける。でもどのチームでも、彼は彼が欲してるものをわかっている、が彼はそれを公表してないからこそ、わからない。正直なところ、もしかしたらトロントに行くのかもしれない。それが、トロントがまだ争奪戦に加われてる理由だと思うし、それが何かはわからない。なぜならそれが公表されてないし、答えを誰も知らない。もしトロントに行ったら条件を気に入って残りのキャリアをそこで過ごしたいと思うからだろう。金額の行方もすごく複雑だ。彼の契約に数字をつけるとするならば、僕の予想では6億ドル〜6.2億ドル(約900億円)、そこが僕の予想してる数字だ。もし争奪戦になった場合、怪我をしていて、そこまで払いたくないチームがいたとしても、ここでマネーゲームになってくると最終的に落ち着く金額はここら辺かなと思う。推測であって確証はない。僕だったらそう思うが、高くても低くても驚かない。
■ネズ・バレロ(大谷翔平選手代理人)
自身がプレイヤーでもあった。その後、転身。今やキャリア25年誇る凄腕代理人。過去担当した日本人メジャー選手は斉藤隆さん、青木宣親(現、ヤクルト)田澤純一(現、社会人野球ENEOS)ら。2017年、大谷選手が日本ハムからポスティングでのメジャー挑戦時にはわずか一週間でエンゼルスとの契約をまとめた。