イギリス政府は移民抑制策として、技能労働者ビザ取得のための条件を厳しくする計画を発表しました。

クレバリー内相が4日発表した移民抑制策では、▼技能労働者ビザ取得のための最低年収の基準を現在の2万6200ポンドから大幅に引き上げて、3万8700ポンド=およそ720万円とするほか、▼医療や介護サービスの労働者が扶養家族を呼び寄せることを制限、また、▼公的医療保険制度=NHSの年会費をおよそ6割引き上げることなどが盛り込まれています。

抑制策は来年の春から導入される予定です。

イギリスでは、入国した移民の数から国を離れた人を差し引いた「純移民」が増え続け、去年は74万5000人に達していて、クレバリー氏は「抑制策により純移民を30万人減らすことができる」と説明しています。

与党・保守党は移民削減を課題に掲げていますが、イギリスはEU離脱後、深刻な労働力不足に直面しています。

医療や介護分野で働く人たちは子連れで移住するケースが多いことなどから野党や労働組合からは抑制策が“逆効果だ”との批判も出ています。