静岡県熱海市の土石流災害。発生から1年を迎えた6月3日、遺族などが新たに静岡県と熱海市を相手に損害賠償を求める裁判を起こす事を発表しました。土石流災害の責任はどこにあったのか?被害者が真相を知るため行政を訴えた形です。
熱海市伊豆山をのみ込んだ土石流災害から1年を迎えた3日、追悼式典などが執り行われました。土石流災害ではこれまでに27人が死亡、いまだに1人が行方不明のままです。
<娘を亡くした小磯洋子さん>
「涙しない日はなかったですし、これからもそうだと思います。孫が母親と一緒に過ごす未来もとられてしまったことはやっぱり許せない」
<災害関連死で父を亡くした伊東真由美さん>
「県知事、市長が参列されるということで、亡くなった方に謝罪の言葉があるのかと思って、自分の耳で聞きたいと思って参列した。そういう気持ちは私には伝わってきませんでした」
土石流は人災だったのではないか。
<被害者の会 加藤博太郎弁護士>
「静岡県、熱海市に対して被害者の会として損害賠償請求を求める集団訴訟を起こすことを決定した」
遺族などで構成する被害者の会は、県と熱海市を相手取り、損害賠償請求を起こす考えを明らかにしました。
土石流の起点にあった違法な盛り土。土石流災害を甚大化させたと指摘されているこの大量の土砂について、熱海市は不適切な盛り土の造成を許し、危険性を認識していたのに放置していた。県は熱海市に指導することを怠ったなどとして法的責任を追及する方針です。
<被害者の会 瀬下雄史会長>
「過失に関しては、静岡県、熱海市。7:3もしくは8:2で熱海市に過失が大きいと考えている」
熱海市の斉藤市長は4日、コメントを発表。「ご遺族、被害者の皆様のお気持ちを真剣に受け止めたい」などとしています。
一方、土石流災害の対応にあたってきた静岡県の難波理事です。
<静岡県 難波喬司理事>
「検証委員会で明らかにしてもらったところ法的瑕疵はない。不十分なところはあったが、法的瑕疵はない」
難波理事は、このように語り、「県に法的責任はない」との考えを示しました。難波理事はこれまでに被害者側に謝罪をしていて、今回、提訴されたとしても静岡県は正面から向き合うとしています。
<静岡県 難波喬司理事>
「変に何かを隠したり、都合のいい論理展開はしない」
土石流災害を巡っては、すでに被害者の会が盛り土の土地の所有者などに対して約58億円の損害賠償を求める裁判を起こしています。
今回、この裁判に静岡県と熱海市も被告として追加したい考えで、7月中に原告を追加し、8月末をめどに追加の提訴をする方針です。
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