連日相次ぐ人里でのクマ情報。例年は11月中に落ち着く傾向にありますが、専門家は12月も警戒を続けてほしいと呼びかけています。
富山県内では10月上旬からクマの出没情報が急増し、2023年は17年ぶりに死者が出る事態にまで発展しました。

10月から11月29日までに確認された目撃・痕跡情報は432件で、前年同期比で約15倍となっています。

なかでも、2023年に目立つのが『市街地』での出没。

富山市藤木や手屋地区といった住宅密集地でもクマが目撃されていて、付近では厳戒態勢がとられました。

11月30日までに人身被害は7件発生し、このうち1人が亡くなっています。

こうした事態を受け、県は市街地に出没するクマを対象とした生育状況調査の実施を検討していることを明らかにしました。30日開かれた富山市議会12月定例会の冒頭でも。

富山市・藤井市長:「富山市でもクマによる人身被害が相次いでおります。クマが冬眠する12月上旬ごろまで厳重に警戒していただきますようお願い申し上げます」

また、2023年は暖冬の予想で、クマの冬眠が遅れる可能性も指摘されています。クマの生態に詳しい専門家はー。

立山カルデラ砂防博物館・白石俊明学芸員:
「そろそろ冬眠に入る個体もいると思うが、1頭1頭冬眠に入る時期も違うので警戒を続ける必要がある。予測が立たないのでぜひ警戒を続けて」
冬眠できないクマがエサを求めて人里に出没する可能性があり、12月末まで警戒する必要がありそうです。