28日、プロ野球で今季のタイトル獲得選手を表彰するNPB アワーズ 2023 supported by リポビタンDが都内で行われ、最多三振奪取投手賞にはメジャー挑戦を表明している今永昇太(30、DeNA)が輝いた。球団は前日27日にポスティング申請を終え、今夜にも交渉解禁となる。今永にメジャー挑戦の胸中と「奪三振の極意」を独占インタビューで聞いた。
今年3月、世界一に輝いたWBCでは決勝・アメリカ戦での先発を任されるなど名実ともに今永は球界ナンバーワンの左腕にまで登りつめた。
初めてシーズンが長いと感じた
Q.WBCから始まった今季を振り返ってみて
今永昇太:
長かったなと。初めてシーズンがちょっと長いなと感じましたね。
Q.その中、最多三振奪取投手賞を獲得。自身にとって三振とは…
今永:
やっぱり一番リスクが少ないので、三振が取れる分にはこれほどいいアウトはないなとは思っていますね。
奪三振の極意
今季22試合に登板し、両リーグ最多となる174もの三振の山を築いた。自身を客観的に分析し、独特の投球理論を持つことから『投げる哲学者』と呼ばれる。
Q.球数と9イニングを投げる試合の中ではどんな風に三振を考えているか
今永:
僕は追い込んで三振を取れるのだったら取りにいきたいとは思っている。でも、相手のバッターと自分の力量を考えて、追い込んでも球数がかさんでしまうのだったら狙わないようにだったりとか、3球勝負でいいやだったりとか、常に三振を取りにいかないようにと考える時があるのですけれども…頭の片隅には三振を取りたいなと思っています。
Q.三振を取れる能力を自分ではどう思う
今永:
今年が(キャリアの中で)一番、奪三振率は高かったのですけども、やっぱり高めのストレートで空振りを取るという所は、(すなわち)バッターを上からかぶせなければいけない軌道になってくると思うので、それが自分の特徴だと思う。そこをもっと伸ばしていけたらいいなと思っていますね。
Q.スバリ、奪三振の極意は
今永:
奪三振の極意は、やはりバッターの予想を上回ってもいいし、下回ってもいいよという風にも思っている。あまり相手を上回ろうとは思わないという所がいいかもしれません。
Q.例えば、どういう事なのか
今永:
上回るのは、純粋にボールの方では速さだったりとか、相手バッターと天秤にかけて真っすぐで力込めて押し込めるというような感じに投げていく時。(一方)150キロを投げないようなフォーム、そういう力感で投げるのが多分相手がこれは140キロっぽいフォームだなと思って、150キロがくるという。相手の予想を下回れるように投げたいな、とも思っています。
メジャー挑戦の胸中
今オフにはポスティングシステムを利用してメジャーリーグに挑戦することを表明した。
Q.メジャー挑戦に向け、これまでのオフシーズンとはどう違うのか
今永:
これから変えていかなければいけない部分と変えてはいけない部分があると思っているので、変えてはいけない部分を忘れないようにして。でも、あとの半分は何にでも対応できる柔軟に対応できるような。そんな頭と体を持って過ごしていけたらと思います。
Q.英会話の方は順調に進んでいる?
今永:
英会話は何かしてもらった時のお礼くらいは言えます。「ありがとう」「ごめんね」を言える人間が一番いいので「ソーリー」と「サンキュー」さえ言えれば大丈夫だと思います。
■今永昇太(いまなが・しょうた)
1993年9月1日生まれ、福岡県出身。身長178cm・体重86kg、左投/左打
北筑高校~駒澤大学、2015年にドラフト1位でDeNAに入団。
2022年6月にはDeNA初となるノーヒットノーランを達成。
今季は22試合7勝4敗、防御率2.80、174奪三振














