「エホバの証人」の元2世信者らが教団内での“性被害”についての調査結果を公表しました。ほかの信者から体を触られたり、性体験を話すよう強制されたなどの訴えが150件に上り、ある女性は、性体験を「泣きながら話した」と告白しました。

エホバの証人 “性被害”調査 「記憶に蓋しないと生活できない」

28日、エホバの証人の元2世信者がこども家庭庁に対し、教団内での性被害があったとする調査結果を提出しました。

調査では教団内で「性暴力を受けた」、「性に関する経験などを話すように強制された」と申告したのは延べ79人。

このうちの1人である女性が取材に応じました。

エホバの証人 元2世信者
「記憶に蓋をしないと生活できなかった」

エホバの証人の元2世信者である30代の女性。

18歳の時に異性と交際をしていたことが教団内に伝わると、“教義に反する”として幹部信者らの前で性体験を話すよう強要されたといいます。

エホバの証人 元2世信者
「『性交渉したのか』『いつどこで何回したのか』などを詳しく聞かれた。すごく恥ずかしい思いと、口にしたくないという思いもあって、泣きながら回答していた」

教団では結婚していない人同士の性行為は“不道徳な行為”として教義で禁じています。

女性は何度も性体験について問われ、それがトラウマになっていたといいます。

エホバの証人 元2世信者
「男性複数人と一緒に仕事などの会議室だったり密室に入るような瞬間があると、心拍数が上がって変な汗が出てくるというか、頭が真っ白になってしまう」

こうした訴えが上がる背景について、現役の幹部信者が証言しました。

エホバの証人 幹部信者
「『宗教裁判』のような取り決めがある。密室で罪を犯したとされる人が、複数対1人というかなりプレッシャーを感じるような状況のもとで行われる。それに答えないことは『神に対する不従順』だとされる」

教団側はJNNの取材に対し
「性に関する経験を話すように強制することはない」と否定していますが、被害を受けた女性は、宗教的な性虐待に関する「法整備が必要だ」と強調します。

エホバの証人 元2世信者
「『直接指示を出していない』というふうに教団側が逃げることができてしまうのが今の現状。宗教団体が個人の尊厳であったり、子どもたちの権利を侵害することがないようなものが生まれたら良いなと」