26日に開催される「女子駅伝日本一決定戦」クイーンズ駅伝。
コースは宮城県が誇る日本三景・松島をスタートし、杜の都・仙台市を駆け抜ける42.195km。出場25チームが駅伝日本一の座をかけ、号砲の時を待つ。
クイーンズ駅伝では上位8チームにシード権が与えられ、翌年の予選会が免除されるため優勝争いと共にシード権争いも見逃せない。

シード権圏内の常連チームが西の名門・ダイハツだ。
これまで多くの日本代表選手を輩出し、今年はハンガリーのブダペストで行われた世界陸上で、松田瑞生(28)、加世田梨花(24)の2人を女子マラソン代表として送り込んだ。ダイハツ=マラソンというイメージも強く、マラソンを走りたくてダイハツの門を叩く選手も多い。

その1人である加世田は、かつて「マラソンを走る度に新しい自分になれることが楽しい」と話しており、今年は世界陸上、マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)と短期間で2本のマラソンに挑戦した。駅伝では名城大学時代、全日本大学女子駅伝の4連覇に貢献。入社1年目の2021年にエース区間の3区を任された。自身初の区間2桁順位(区間10位)にショックが大きかったようだが、前回大会の3区は「新谷仁美(35・積水化学)、廣中璃梨花(22・JP日本郵政グループ)には及ばなかったが、1年の成長は感じられた」と話す。今年はマラソンで培ったスタミナを武器に日本一の舞台に挑む。

一方、マラソンで国内随一の強さを誇る松田瑞生は、世界陸上後に痛めた足の回復に専念。クイーンズ駅伝出走への思いは熱い。「今大会出場できれば10年連続10回目なので何とか走りたい。こんな強いチームで出続けるのは誇りでもあるので」。宮城の地で松田のトレードマークである笑顔が輝く走りを見せられるか。

その他にも有力選手を揃えるダイハツ。クイーンズ駅伝での優勝経験はないものの、今年も上位争いに絡んでくる可能性は大いにある。

そしてもう1チームは、前回大会で初のシード権を獲得し、過去最高順位の4位に入ったエディオン。ここ数年届きそうで届かなかったシード権を去年ついに手にした、今まさに成長著しいチームだ。

注目はマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)で3位に入った細田あい(27)。去年のベルリンマラソンで、自己ベストを2分44秒も更新する2時間21分42秒をマーク。MGCでは代表には届かなかったが、途中先頭争いをする走りを見せた。前回のクイーンズ駅伝では5区に出走したが、9位でもらったタスキを4位まで押し上げる好走を見せ、シード権獲得に大きく貢献。「今年もしっかりシード権の常連というチームになれるように」と意気込む。

また新戦力も加わった。今年3月に大阪薫英女学院高校を卒業したルーキー、水本佳菜(18)だ。去年の全国高校駅伝では1区で区間賞、インタ―ハイでは1500m、3000mで日本人トップという実力の持ち主。「クイーンズ駅伝は高校駅伝や大学駅伝とはレベルが違う。すごくワクワクした気持ち。最後の最後まで諦めない気持ちは誰にも負けたくない」と話す。さらに「区間賞も狙いたい」と実業団駅伝デビュー戦に心を躍らせている。

チームの今年の目標は前回越えの3位以内。3強と呼ばれる資生堂、積水化学、JP日本郵政グループの牙城を崩しにいく。

駅伝女王の座はどのチームが掴むのか。クイーンズ駅伝は26日(日)12時15分号砲。

※写真は左から松田選手、細谷選手