西村宮内庁長官は今月30日の秋篠宮さまの誕生日を前に、秋篠宮邸改修の経緯について改めて説明し、「工事費用を抑えたいという両殿下のお気持ちに十分応えることができなかったことになってしまい、大変心苦しい」と述べました。

秋篠宮邸の改修工事は2020年から始まり、去年9月に工事が完了し、総工費は30億円余りでした。

西村宮内庁長官はきょう行われた定例の記者会見で、秋篠宮邸の改修の経緯について改めて説明しました。

それによりますと、2006年頃に宮内庁から秋篠宮邸として使用していた旧秩父宮邸部分の工事の必要性について秋篠宮さまに説明したところ、秋篠宮さまから「秋篠宮邸より古い宮邸を先に」と要望があり、高円宮邸を先に工事したということです。

さらに、2011年に改修工事について秋篠宮さまにうかがったところ、東日本大震災の発生を踏まえ、「本邸の改修は控えて欲しい」という意向が示され、工事を見合わせたということです。

その後、2015年ごろから排水管の水漏れなど設備の老朽化が限界を迎えたことや、2019年に代替わりにともなって皇嗣職の職員が4倍となり、職員の執務環境の整備が必要となったことから、改修だけでなく事務部分の大幅な増築が行われたということです。

西村長官は、工事費用の大部分は事務部分、公室部分が占めていると改めて説明しました。

その上で、宮内庁の判断で行った工事や新型コロナのための工期延期、感染防止対策のための費用なども嵩み、費用が高額となってしまったと説明しました。

さらに、「工事費を抑えたい」という秋篠宮ご夫妻のお気持ちに十分応えることができなかったとして、「大変心苦しく感じている」と述べました。