26日に開催される「女子駅伝日本一決定戦」クイーンズ駅伝。今年は25チームが駅伝日本一の座をかけて、宮城県が誇る日本三景・松島から杜の都・仙台へ駆け抜ける。

連覇を目指す前回女王・資生堂、2年ぶりの女王奪還を狙う積水化学とともに、優勝候補として注目されているのが、過去3度の優勝を誇るJP日本郵政グループ。2016年には創部わずか3年目、2回目の出場で初優勝を飾り「奇跡のチーム」とも呼ばれた。2019年、2020年には大会連覇を達成。以降も毎年優勝候補に挙げられるチームの柱となっているのが、入社5年目のエース・廣中璃梨佳(22)だ。

今年8月、ハンガリー・ブダペストで行われた世界陸上では、10000mでメダルまであと7秒に迫る7位入賞。アジア大会(9月23日~10月8日)では5000m・10000mの2種目で銀メダルを獲得した。今夏、大舞台での連戦に「疲れが見える時もあった」と振り返ったが、「チームとして昨年を超えたいという目標も掲げているので、全員駅伝で選手1人1人、そしてスタッフ1人1人同じ思いで最後までタスキを繋いで、今できる最大限のパフォーマンスができたらいいなと思います」とクイーンズ駅伝に向けて意気込んだ。

廣中の「全員駅伝」という言葉に象徴されるように、東京五輪女子マラソン代表の鈴木亜由子(32)や、10月のマラソングランドチャンピオンシップに出場したキャプテンの太田琴菜(28)、アジア大会女子マラソン代表の大西ひかり(23)などベテラン・中堅勢に加え若手選手も台頭し、現在チームとしての仕上がりも順調。11月上旬から行った鹿児島・徳之島での合宿では、駅伝エントリーメンバー10人全員がしっかりと練習をこなすなど、高いレベルを保ったまま駅伝に向かっている。指導する髙橋昌彦監督も「駅伝前に登録メンバー10人がポイント練習を出来ているのは初めて。全体の層が厚くなっている。ここにきて選手たちの目が輝いてきたので、(資生堂・積水化学の)2チームを慌てさせるようなレースが出来たら面白いかなと思います」と自信をのぞかせた。

駅伝となれば、これまで5回出場し4回の区間賞を獲得してきたエース・廣中の走りがチームの鍵を握るが、廣中自身個人の成績にこだわりは全くなく「1秒でも早く次の選手にタスキを渡したい」という思いが彼女を突き動かしている。

「駅伝は1人のレースではなく、チーム全体で挑む。本当にそれが駅伝の醍醐味でもあると思う。全員ができることをやっていたらおのずと結果もついてくるのかなと思うので、勝負していくんだというような挑戦心も持ちつつ、どういうレースができるのか楽しみにしていきたいです」

まさに「One Team」で挑戦する女子駅伝日本一決定戦。
3年ぶり4度目の栄冠へ。26日(日)12時15分、勝負の始まりを告げる号砲が、松島の空に響く。