『稼いだお金はホストに』『売り掛けを返すために』

 なぜ売春を行うのか。そのうちの1人に話を聞くことができた。和歌山県出身の21歳のAさん。

  (記者)「きょうはここには何をしに?」
 (Aさん)「お金を稼ぎに」
  (記者)「具体的に言うと?」
 (Aさん)「立ちんぼ」
  (記者)「どういう時に来る?」
 (Aさん)「お金に困ったとき。ホストとかですかね」

 18歳の時、SNSでホストと知り合ったことがきっかけで、ホストクラブに通い始めたAさん。3年間で使ったお金は約1000万円。路上売春をしてまでホストクラブに通う理由とは…

 (Aさん)「メンタルをケアしてくれたりとか。あとは、自分の存在を肯定してくれるとかっていうのが欲しくて。この人がいなくなったら自分壊れちゃうなって思うから。『僕にはあなたが必要だから』っていうのを言葉とか行動とか全てで伝えてくれるのが担当(のホスト)です」
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 岐阜県出身で21歳のBさん。路上売春する理由は、同じくホスト通いのためだと話す。

 (Bさん)「ホストに初めて行ったときは『イケメンいっぱいいる!あーすげー』って感じですね。(ホストにハマったのは)メンタルケアが上手だったからです。自分、メンタルケアしてもらったことなかったんで」

 両親が離婚して母親に引き取られたBさん。しかし、再婚相手に性的暴力を加えられて、その後、家を出た。そんな中、唯一心を許せたのがホストだったという。18歳から路上売春をはじめ、稼いだ金はホストにつぎ込んできた。総額は2年間で2400万円にのぼるという。

 (Bさん)「ホストに『売り掛け』があって、そこの掛けを返すためにちょっとでも足しになればなと思って」
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 売り掛けとは、ホストクラブで客の飲食代をホストが立て替え、客がホストに後日支払うシステムのことだ。売り掛けが支払えなくなる女性も珍しくないという。